記事公開日
協力医療機関の義務化は2027年4月から|特養など対象施設・3要件・準備期限

協力医療機関の義務化は、2027年4月1日から本則どおりの義務になります。
2024年度介護報酬改定で運営基準が改正され、3年間の経過措置が2027年3月31日で終わるためです。
例えば、特養・老健・介護医療院・養護老人ホームは、「相談・診療・入院」の3要件を満たす協力医療機関を定めておく必要があり、年1回の届出と確保計画はすでに義務です。
いま確認しておきたいのは、自施設が義務の対象か、3要件のどこが不足しているかです。
対象施設の施設長・管理者で、2027年3月までの準備を進めたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
- 協力医療機関の義務化は2027年4月1日から本則どおりの義務になる|結論と今日確認する3点
- 【協力医療機関の義務化】根拠と「2027年4月」の意味(一次情報)
- 協力医療機関の義務化の対象施設を「義務」と「努力義務」に分けて確認しよう
- 協力医療機関の義務化で求められる3要件と「嘱託医」「配置医師」との違い
- 協力医療機関の届出・年1回確認・確保計画は経過措置なしで、すでに義務
- 協力医療機関の義務化と連携加算の違い|2026年6月 会議要件の緩和
- 協力医療機関が見つからない高齢者施設などが取り得る4つの手段
- 協力医療機関の義務化に未対応の施設が抱えるリスクと、同業の整備状況
- 高齢者施設の施設長・管理者は、2027年3月までの準備を逆算しよう
- 協力医療機関との情報共有を支える介護ソフト「ファーストケア」(PR)
- 協力医療機関の義務化に関するよくある質問
- 【まとめ】協力医療機関の義務化に向けて高齢者施設などの施設長・管理者が今週やること
協力医療機関の義務化は2027年4月1日から本則どおりの義務になる|結論と今日確認する3点

協力医療機関の義務化は、2024年度介護報酬改定で決定済みです。
2027年3月31日までは経過措置で「定めるよう努める」段階です。
2027年4月1日からは、3要件を満たす協力医療機関を定めておく義務になります。
対象は特養・老健・介護医療院・養護老人ホームで、年1回の届出はすでに義務です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠 | 改正省令(令和6年厚生労働省令第16号)と、その附則第6条 |
| 期限 | 2027年3月31日まで努力義務、2027年4月1日から義務 |
| 対象 | 特養・地域密着型特養・老健・介護医療院・養護老人ホーム(軽費老人ホーム・特定施設・認知症グループホームは2要件の努力義務) |
| 今日確認する3つ | ①今の協力医療機関が満たす要件 ②直近の届出日と内容 ③欠けている要件と確保計画の要否 |
以降で、根拠となる条文から順に確認します。
【協力医療機関の義務化】根拠と「2027年4月」の意味(一次情報)

協力医療機関の義務化の根拠は、介護保険法にもとづく運営基準(厚生労働省令)の改正です。
「2027年4月に完全義務化」は通称で、省令が定めるのは2027年3月31日までの経過措置です。
説明は条文の文言で組み立てておくと揺らぎません。
根拠と期限を、次の4つの順で確認していきます。
- 2024年度介護報酬改定「3要件を満たす協力医療機関」の義務化条文を確認する
- 要件を満たす協力医療機関の確保は、2027年3月31日まで努力義務
- 改定前からあった協力医療機関の定めと「完全義務化」という通称の違い
- 2027年4月1日に重なる別の制度と混同しないように区別する
条文の番号まで控えておくと、「2027年4月に完全義務化」といった通称で説明がブレにくくなります。
2024年度介護報酬改定「3要件を満たす協力医療機関」の義務化条文を確認する
根拠は改正省令(令和6年厚生労働省令第16号。2024年4月1日施行)による指定介護老人福祉施設基準第28条第1項などの改正で、3要件を満たす協力医療機関(③は病院に限る)を定めることを義務付けるものです。
参考:厚生労働省「医療・介護連携、人生の最終段階の医療・介護(高齢者施設と医療機関の連携強化・感染対応力の向上、ACP、看取り)」p.49
要件を満たす協力医療機関の確保は、2027年3月31日まで努力義務
指定介護老人福祉施設(特養)などに求められる協力医療機関の新基準は、「医療機関の確保」と「対応の確認・届出」で適用時期が異なります。
要件を満たす協力医療機関の確保については、2027年3月31日までの経過措置が設けられており、同日までは努力義務、同年4月1日から完全な義務となります。
(法令上は「定めておかなければならない」を「努めなければならない」と読み替え)
一方で、協力医療機関との間で入所者の病状急変時などの対応を年1回以上確認し、医療機関名などを指定権者へ届け出る義務には経過措置が適用されません。
この規定は2024年4月1日からすでに施行されているため、2027年を待たずに対応を進める必要があります。
参考:厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令(令和6年厚生労働省令第16号)」p.242
改定前からあった協力医療機関の定めと「完全義務化」という通称の違い
改定前の特養基準第28条第1項も「あらかじめ、協力病院を定めておかなければならない」と定めており、2024年度改定はこれを3要件付きの義務に再構成して3年間の経過措置を付けたものです。
「完全義務化」は省令にも通知にもない通称です。
| 日付 | 省令上の位置づけ |
|---|---|
| 2024年4月1日 | 改正省令の施行日(努力義務として適用開始) |
| 2027年3月31日 | 附則第6条の経過措置の最終日 |
| 2027年4月1日 | 本則の適用開始(義務) |
2027年4月1日に重なる別の制度と混同しないように区別する
2027年4月1日には、次の制度改正・施行が同時期に重なります。
- ①令和9年度介護報酬改定の施行(介護報酬改定2027年度の論点)
- ②附則第4条による生産性向上委員会の経過措置終了(生産性向上委員会の義務化は2027年4月から)
- ③改正社会福祉法による都道府県の協議会設置義務
ただし、いずれも「協力医療機関の義務化」とは別制度です。
混同しないように分けて整理しましょう。
協力医療機関の義務化の対象施設を「義務」と「努力義務」に分けて確認しよう

協力医療機関の義務化で3要件すべてが義務になるのは、特養・老健・介護医療院・養護老人ホームです。
軽費老人ホーム・特定施設・グループホームは2要件の努力義務で、2027年4月以降も義務にはなりません。
この区別を誤った解説もあるため、種別ごとに確認しましょう。
施設種別ごとの扱いを、次の4点に整理します。
- 3要件を満たす協力医療機関が義務になる施設系サービスと養護老人ホーム
- 2要件の努力義務にとどまる軽費老人ホーム・特定施設・認知症グループホーム
- 有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅・短期入所など省令の対象外になる施設の扱い
- 特養が併設する短期入所や通所介護を含めて施設ごとに仕分ける
区分が決まれば、理事長への報告の1枚目が埋まります。
3要件を満たす協力医療機関が義務になる施設系サービスと養護老人ホーム
厚生労働省は、特養(地域密着型特養を含む)・老健・介護医療院・養護老人ホームを対象に挙げています。
これらの施設に関しては、3要件を満たす協力医療機関を定めることを「経過措置3年として義務化しました」と整理しています。
参考:厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1452 令和6年度介護報酬改定を踏まえた高齢者施設等と協力医療機関との連携状況について」p.1
2要件の努力義務にとどまる軽費老人ホーム・特定施設・認知症グループホーム
対象は、軽費老人ホーム、特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護です。
これらは、「①常時の相談対応」と「②常時の診療体制」の2要件を満たす協力医療機関を定めるよう努める努力義務です。
2027年4月以降も、義務にはなりません。
有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅など、3要件義務化の対象外施設
今回の「3要件を満たす協力医療機関」の義務化は、住宅型有料老人ホームと、特定施設の指定を受けていないサービス付き高齢者向け住宅には適用されません。
ただし、対象外だからといって、医療機関との連携が不要になるわけではありません。
有料老人ホームに該当する施設には、老人福祉法にもとづく指導指針により、協力医療機関を定め、連携内容をあらかじめ取り決めておくことが求められます。
特養の併設サービスは、施設・サービス種別ごとに仕分ける
特養に短期入所や通所介護が併設されている場合でも、義務の適用は法人単位ではなく、施設・サービス種別ごとに判断します。
特養本体は3要件の義務化の対象ですが、短期入所や通所介護は対象外です。
併設する短期入所では、母体施設が定めた協力医療機関と連携する場合もあります。
ただし、対象区分を混同しないよう、一覧表では特養本体と分けて管理します。
複数のサービスを持つ法人は、施設・サービスごとに1行を設け、
- 「施設名」
- 「サービス種別」
- 「義務・努力義務・対象外の区分」
- 「現在の協力医療機関」
- 「要件①②③の充足状況」
- 「直近の届出日」
- 「担当者」
などを記載しましょう。
併設サービスも一覧表に含め、サービスごとの区分を整理しておけば、対象漏れや適用区分の誤りを防げます。
協力医療機関の義務化で求められる3要件と「嘱託医」「配置医師」との違い

今回の義務化で問われるのは、単に「協力医療機関と契約しているか」ではなく、相談・診療・入院の3つの体制を常時確保できているかです。
日常的な健康管理を担う「嘱託医(配置医師)」がいるだけでは、要件を満たしたことにはなりません。
ただし、国は常時の往診体制や専用病床(空床の常時確保)までを義務付けているわけではありません。
実態に応じた柔軟な連携が認められています。
押さえておくべき3要件と用語の違いは、以下の4点です。
- 要件①(相談): 入所者の急変時などに、医師または看護職員が常時相談対応をおこなう体制
- 要件②(診療): 診療の求めがあった場合に、常時診療をおこなう体制(常時の往診体制までは不要)
- 要件③(入院): 入院を要すると認められた入所者を、原則として受け入れる体制(病院に限る/専用病床は不要)
- 複数の医療機関で要件を分担できることと、配置医師・嘱託医・協力歯科医療機関との違い
まずは現在の連携先がどの要件を満たしているかを照らし合わせ、不足している項目を洗い出してみましょう。
要件①(相談): 入所者の急変時などに、医師または看護職員が常時相談対応をおこなう体制
条文は「入所者の病状が急変した場合等において、医師又は看護職員が相談対応を行う体制を常時確保していること」で、相談相手は看護職員でも構いません。
厚生労働省の図表10では、協力医療機関数に回答のあった介護老人福祉施設(特養、n=1,089)のうち、要件①を満たす協力医療機関を定めている割合は89.8%です(令和7年度調査)。
参考:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」「医療・介護連携、人生の最終段階の医療・介護(高齢者施設と医療機関の連携強化・感染対応力の向上、ACP、看取り)」p.8・図表10
要件②(診療): 診療の求めがあった場合に、常時診療をおこなう体制(常時の往診体制までは不要)
条文は「診療の求めがあった場合において、診療を行う体制を常時確保していること」です。
令和6年度介護報酬改定に関するQ&Aでは「必ずしも往診を行う体制を常時確保している必要はない」とし、外来を含めた常時の診療体制で足ります。
参考:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」「医療・介護連携、人生の最終段階の医療・介護(高齢者施設と医療機関の連携強化・感染対応力の向上、ACP、看取り)」p.3・p.49「協力医療機関連携加算に係る要件変更について(報告)」p.3「介護保険最新情報Vol.1418」p.2
要件③(入院): 入院を要すると認められた入所者を、原則として受け入れる体制(病院に限る/専用病床は不要)
条文は「入院を要すると認められた入所者の入院を原則として受け入れる体制を確保していること」で、病院に限られます。
専用病床は不要で、急変時に協力医療機関へ搬送する必要もなく、救急車を呼ぶなど臨機応変に対応します。
参考:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」「医療・介護連携、人生の最終段階の医療・介護(高齢者施設と医療機関の連携強化・感染対応力の向上、ACP、看取り)」p.49「協力医療機関連携加算に係る要件変更について(報告)」「「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(令和6年3月15日)」の送付について(問125)」p.77
複数の医療機関で要件を分担できることと、配置医師・嘱託医・協力歯科医療機関との違い
解釈通知は複数の医療機関で要件を満たすことを認め、連携先として在宅療養支援病院・診療所などを想定しています。
配置医師(非常勤の場合は嘱託医)は施設側の医師で、協力医療機関ではありません。
協力歯科医療機関は努力義務です。
参考:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」「医療・介護連携、人生の最終段階の医療・介護(高齢者施設と医療機関の連携強化・感染対応力の向上、ACP、看取り)」p.3「口腔・栄養、一体的取組」p.23「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準について(平成12年3月17日老企第43号)(抄)」p.7・p.11〜12
協力医療機関の届出・年1回確認・確保計画は経過措置なしで、すでに義務

「2027年4月までに協力医療機関を整えれば大丈夫」と後回しにしていませんか。
実は、年1回の対応確認・指定権者への届出・未確保時の「確保計画」の提出は、経過措置がなく2024年4月からすでに義務化されています。
現場が気づかないうちに基準違反となってしまわないよう、今すぐ対応できているか確認すべきポイントは以下の4点です。
- 年1回以上、急変時の対応を協力医療機関と確認し、指定権者に届け出る(別紙1様式)
- 3要件を満たす協力医療機関を確保できていない場合は「確保計画」をあわせて届け出る
- 特養などでは、緊急時などの対応方針を配置医師・協力医療機関と定め、年1回見直す
- 退院後の再入所の努力義務と、協定書・契約書で取り決めておく項目
自施設の対応状況と照らし合わせながら、不備がないか確認していきましょう。
年1回以上、急変時の対応を協力医療機関と確認し、指定権者に届け出る(別紙1様式)
単に協力医療機関を確保して終わりではなく、急変時に機能する体制を維持し、行政へ毎年報告することが求められます。
厚生労働省の解釈通知でも、以下のように明確に義務付けられています。
協力医療機関と実効性のある連携体制を確保する観点から、年に1回以上、協力医療機関と入所者の急変時等における対応を確認し、当該医療機関の名称や当該医療機関との取り決めの内容等を指定を行った都道府県知事、指定都市又は中核市の市長(以下「指定権者」という。)に届け出ることを義務づけたものである。届出については、別紙1によるものとする。協力医療機関の名称や契約内容の変更があった場合には、速やかに指定権者に届け出ること。
引用:厚生労働省「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準について(平成12年3月17日老企第43号)(抄)」p.12
年1回の確認・届出(別紙1)に加え、医療機関の名称や契約内容に変更が生じた場合も速やかな届出が必要です。
届出に使う様式は、解釈通知に添付された「(別紙1)協力医療機関に関する届出書」です。
厚生労働省の「令和6年度介護報酬改定について」のページに、サービス種別ごとの解釈通知の別紙としてExcel形式で掲載されています。
特養は指定介護老人福祉施設の解釈通知の別紙1。
地域密着型特養・認知症グループホーム・地域密着型特定施設は地域密着型サービスの解釈通知の別紙3。
養護老人ホーム・軽費老人ホームは老人福祉法に関する通知の参考様式(介護保険サービスの届出書と同じ様式)を使います。
A4・1枚で、記載する項目は次のとおりです。
| 区分 | 記載項目 |
|---|---|
| 届出者 | 名称、事務所・施設の所在地、連絡先(電話番号・FAX番号)、事業所番号、事業所・施設種別(9種別から選択)、代表者の職・氏名と住所 |
| 協力医療機関 | ①相談対応(第1号)、②診療(第2号)、③入院受け入れ(第3号。施設系と養護老人ホームのみ)の要件ごとに、医療機関名・医療機関コード・入所者が急変した場合などの対応の確認を行った日・協力医療機関の担当者名。上記以外の協力医療機関も3件まで記載 |
| 3要件を満たす協力医療機関を定めていない場合 | 過去1年間に協議をおこなった医療機関数、取り決めが困難であった理由(協議していない場合はその理由)、届出後1年以内に協議をおこなう予定の医療機関と予定時期、予定がない場合は基準を満たす協力医療機関を定めるための今後の具体的な計画 |
| 関係書類 | 各協力医療機関との協力内容がわかる書類(協定書など)を添付 |
要件ごとに「対応の確認を行った日」を書く欄があるため、年1回の確認は日付と相手方の担当者名を残しておく必要があります。
提出先は施設の指定権者(都道府県知事、指定都市・中核市の市長)です。
提出時期は解釈通知に定めがなく、指定権者ごとに異なります。
例えば、姫路市は毎年度4月1日〜4月末日に電子申請で、北海道は毎年度3月31日までとしています。
指定権者によっては独自の一覧表や記載要領を追加しているため、様式・期限・提出方法は指定権者のWebサイトで確認しましょう。
参考:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」(各解釈通知の別紙1・別紙3)、姫路市「協力医療機関に関する届出」、北海道「協力医療機関に関する届出について」、広島県「協力医療機関に関する届出書について」
3要件を満たす協力医療機関を確保できていない場合は「確保計画」をあわせて届出る
解釈通知は、経過措置期間に3要件を満たす協力医療機関を「確保できていない場合は、経過措置の期限内に確保するための計画を併せて届け出を行うこと」と求めています。
確保計画は別の書類ではなく、別紙1の「3要件を満たす協力医療機関を定めていない場合」の欄に記載します。
過去1年間に協議した医療機関数、取り決めが困難であった理由、届出後1年以内に協議をおこなう予定の医療機関と時期を書き、予定がない場合は今後の具体的な計画を書きます。
様式の注記では「3ヵ月以内に地域の在宅療養支援病院等をリストアップし、協議先を検討する」といった具体的な計画を求めています。
参考:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準について(平成12年3月17日老企第43号)(抄)」p.12
特養などでは、緊急時などの対応方針を配置医師・協力医療機関と定め、年1回見直す
年1回の確認で協力医療機関と何を確かめるのかは、特養などで義務付けられている「緊急時等の対応方針」に具体化されています。
基準省令では、配置医師や協力医療機関の協力を得てあらかじめ対応方針を定め、年1回以上見直すことが規定されています。
基準省令第20条の2は、入所者の病状の急変等に備えるため、施設に対して、配置医師及び協力医療機関の協力を得て、あらかじめ配置医師による対応又はその他の方法による対応方針を定めなければならないことを義務付けるものである。対応方針に定める規定としては、例えば、緊急時の注意事項や病状等についての情報共有の方法、曜日や時間帯ごとの医師や協力医療機関との連携方法、診察を依頼するタイミング等があげられる。また、当該対応方針については、1年に1回以上、配置医師及び協力医療機関の協力を得て見直しを行い、必要に応じて変更すること。見直しの検討に当たっては、施設内の急変対応の事例について関係者で振り返りを行うことなどが望ましい。なお、基準省令第28条第2項において、1年に1回以上、協力医療機関との間で入所者の病状が急変した場合等の対応の確認をすることとされており、この確認について、当該対応方針の見直しとあわせて行うことも考えられる。
引用:厚生労働省「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準について(平成12年3月17日老企第43号)(抄)」p.7
つまり、「情報共有の方法」「曜日・時間帯ごとの連携方法」「診察を依頼するタイミング」のすり合わせが、年1回の確認で読み合わせる実質的な中身です。
届出書(別紙1)の「対応の確認を行った日」には、この読み合わせを実施した日付を記入します。
見直しでは、施設内で起きた急変対応の事例を配置医師・協力医療機関と振り返り、必要に応じて対応方針を変更します。
参考:厚生労働省「医療・介護連携、人生の最終段階の医療・介護(高齢者施設と医療機関の連携強化・感染対応力の向上、ACP、看取り)」p.51
退院後の再入所の努力義務と、協定書・契約書で取り決めておく項目
退院可能になった入所者を速やかに再入所させるよう努める努力義務があります。
名称を問わず、「担う要件」「相談の連絡先と時間帯」「診療の方法」「入院の受け入れと紹介」「再入所」「情報共有」「有効期間」を文書にします。
ひな形は別記事で扱う予定です。
協力医療機関の義務化と連携加算の違い|2026年6月 会議要件の緩和

協力医療機関の義務化は運営基準の話で、協力医療機関連携加算は介護報酬の話です。
加算を算定しない施設にも義務は及び、逆に3要件を満たす協力医療機関を定めれば加算を算定できる余地が生まれます。
算定の壁だった会議の頻度は、2026年6月から緩和されました。
義務と加算の関係を、次の4点で切り分けます。
- 義務(運営基準)と加算(報酬)は別物
- 協力医療機関連携加算の単位数と算定要件(特養・老健・介護医療院は50単位/5単位)
- 2026年6月から会議の頻度が年3回以上、電子的な情報共有があれば年1回以上に緩和
- 算定率と「会議負担」に関する算定見送り理由から、情報共有の仕組みが重要
制度上の位置づけを正しく切り分けながら、それぞれの違いを確認していきましょう。
義務(運営基準)と加算(報酬)は別物
義務は省令(運営基準)、加算は告示(介護報酬)に根拠があり、加算を算定しなくても2027年4月1日からの義務は等しく及びます。
加算は、協力医療機関との会議の定期開催を別途評価する仕組みです。
参考:厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令(令和6年厚生労働省令第16号)」p.169・p.242「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する告示(令和6年厚生労働省告示第86号)」p.144「医療・介護連携、人生の最終段階の医療・介護(高齢者施設と医療機関の連携強化・感染対応力の向上、ACP、看取り)」p.49〜50
協力医療機関連携加算の単位数と算定要件(特養・老健・介護医療院は50単位/5単位)
算定要件は「入所者等の同意を得て、当該入所者等の病歴等の情報を共有する会議を定期的に開催していること」です。
単位数は3要件を満たす場合50単位/月、それ以外5単位/月(特定施設・認知症グループホームは100単位/月・40単位/月)です。
参考:厚生労働省「医療・介護連携、人生の最終段階の医療・介護(高齢者施設と医療機関の連携強化・感染対応力の向上、ACP、看取り)」p.50
2026年6月から会議の頻度が年3回以上、電子的な情報共有があれば年1回以上に緩和
2026年5月の通知改正により、2026年6月算定分から、会議は原則として年3回以上開催する必要があります。
ただし、電子的システムで協力医療機関が入所者の情報を随時確認できる体制がある場合、または入院・往診が年2件以上ある場合は、年1回以上で足ります。
算定率と「会議負担」に関する算定見送り理由から、情報共有の仕組みが重要
50単位で算定している特養は37.6%で、算定しない理由は「定期的な会議の負担が重く、会議を行えていない」46.3%が最多です。
入所者の記録をすぐ取り出せる仕組みが算定を左右します。
参考:厚生労働省「医療・介護連携、人生の最終段階の医療・介護(高齢者施設と医療機関の連携強化・感染対応力の向上、ACP、看取り)」p.20
協力医療機関が見つからない高齢者施設などが取り得る4つの手段

協力医療機関の義務化を進めるうえで、施設が抱える主な課題は「どこに相談すればよいかわからない」「周辺に医療機関が少ない」ことです。
3要件は、1つの医療機関だけで満たす必要はありません。
国も自治体に対し、相談窓口の設置やマッチング支援を要請しています。
協力医療機関が見つからない場合に取れる手段を、次の4つに分けて紹介します。
- 3要件を分担し、相談・診療は診療所、入院は病院といった形で複数の医療機関へ依頼する
- 地方厚生局の届出受理一覧から、在宅療養支援病院や地域包括ケア病棟のある病院を探す
- 自治体の相談窓口・医師会・在宅医療・介護連携推進事業によるマッチング支援を活用する
- 協力対象施設入所者入院加算など、医療機関側の診療報酬を示して交渉する
医療機関が連携を断る主な理由を知ることで、依頼方法を見直しやすくなります。
3要件を分割し、相談・診療は診療所、入院は病院というように複数の医療機関へ依頼する
3要件は1つの医療機関で満たす必要はありません。
解釈通知は、次のように複数の医療機関で分担してよいと例示しています。
例えば同条第1項第1号及び第2号の要件を満たす医療機関と同条第1項第3号の要件を満たす医療機関を別に定めるなど、複数の医療機関を定めることにより要件を満たすこととしても差し支えない。
引用:厚生労働省「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準について(平成12年3月17日老企第43号)(抄)」p.12
分け方の基本は、①相談対応と②診療は日ごろ診てもらっている医療機関に、③入院の受け入れは病院に頼む形です。
③は省令で病院に限られていますが、①②は診療所でも構いません。
ただし①②も常時の体制が要件なので、夜間・休日も連絡がつく在宅療養支援診療所などが候補になります(往診を常時おこなう体制までは不要です)。
届出書(別紙1)も①②③ごとに医療機関名の欄が分かれており、要件ごとに別の医療機関を届け出る前提で作られています。
実態として、特養が要件を満たす協力医療機関として定めているのは病院が中心です。
在宅療養支援病院など以外の病院36.0%、地域包括ケア病棟(200床未満)を持つ病院31.2%、在宅療養支援病院19.2%に対し、診療所は合わせて2割弱にとどまります。
一方、2要件でよい特定施設では在宅療養支援診療所(無床)が26.8%で最も多く、①②は診療所でも担えることがわかります。
特養でも、③だけを病院に頼み、①②は顔なじみの診療所に残す組み合わせが可能です。
参考:厚生労働省「医療・介護連携、人生の最終段階の医療・介護(高齢者施設と医療機関の連携強化・感染対応力の向上、ACP、看取り)」p.10「介護保険最新情報Vol.1418 「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.16)(令和7年9月5日)」の送付について」p.2
地方厚生局の届出受理一覧で在宅療養支援病院や地域包括ケア病棟のある病院を探す
協力医療機関の候補は、医療機関の所在地を管轄する地方厚生(支)局が公表する「診療報酬における施設基準の届出受理状況」から探せます。
最新の届出受理医療機関名簿を開き、「受理番号」欄で次の略称を検索してください。
- 在宅療養支援病院
- 「支援病1」「支援病2」「支援病3」
- 在宅療養支援診療所
- 「支援診1」「支援診2」「支援診3」。2026年度の略称一覧では「支援診2ア」「支援診2イ」と表記される場合があるため、「支援診2」で検索し、該当項目を確認してください。
- 在宅療養後方支援病院
- 「在後病」
- 地域包括ケア病棟入院料・地域包括ケア入院医療管理料
- 「地包ケア1」から「地包ケア4」
数字の全角・半角によって検索結果が変わる場合があります。
また、直近の新規・変更一覧だけでは既存の届出を網羅できないため、全件の名簿と失効情報も確認しましょう。
厚生労働省のQ&A問124に検索用の略称が示されていますが、「支援診2」の区分などは管轄局の最新の略称一覧を優先してください。
入院受け入れを担う病院(要件③)を探すときは、「支援病」「在後病」「地包ケア」が手掛かりになります。
常時の相談対応(①)や診療(②)については、「支援診」に該当する診療所も候補です。
厚生労働省は、地域包括ケア病棟を持つ医療機関のうち、特に200床未満、主に「地包ケア1」「地包ケア3」の医療機関を、相談対応や診療をおこなう連携先として想定しています。
一覧への掲載だけで、協力医療機関の要件を満たすわけではありません。
候補先には、常時の相談対応・診療・入院受け入れのどれを担えるかを確認し、協定書などで役割と連絡方法を明確にします。
①~③を複数の医療機関で分担することも可能です。
なお、③について施設専用の病床を常時確保する必要はありませんが、入院を要すると判断された入所者を原則として受け入れる体制が必要です。
参考:厚生労働省「「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(令和6年3月15日)」の送付について」p.75(問124)
自治体の相談窓口・医師会・在宅医療・介護連携推進事業のマッチング支援を使う
連携体制の構築に向けて、国は自治体に、「相談窓口の設置」「在宅医療・介護連携推進事業を使ったマッチング」「医師会への協力依頼」「地域医療構想調整会議での調整」を要請しています。
参考:厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1452 令和6年度介護報酬改定を踏まえた高齢者施設等と協力医療機関との連携状況について(速報)」p.3
医療機関側の診療報酬(協力対象施設入所者入院加算など)を示して交渉する
医療機関に打診して断られる理由として最も多いのが、「常時、診療を行う体制の確保が困難」(30.1%)です。
しかし、これは「24時間365日、いつでも施設へ往診に駆けつけなければならない」と医療機関側が誤解しているケースが少なくありません。
国のQ&Aでは「常時の往診体制まで確保する必要はない」と明記されており、夜間の電話相談や外来・救急搬送での受入れ体制があれば要件を満たします。
この要件の線引きを正確に伝えるだけで、引き受けてもらえるハードルは大きく下がります。
あわせて、医療機関側にも協力医療機関を担うメリット(診療報酬上の評価)があることを伝えましょう。
2024年度改定では、事前連携している介護施設からの入院を受け入れた場合の「協力対象施設入所者入院加算」や、往診時の連携を評価する「介護保険施設等連携往診加算」などが新設されています。
「施設側の都合で負担を強いる」のではなく、「要件の誤解を解き、病院側の評価(加算)にもつながるパートナーシップである」という共通認識を持って交渉に臨むことが重要です。
参考:厚生労働省「医療・介護連携、人生の最終段階の医療・介護(高齢者施設と医療機関の連携強化・感染対応力の向上、ACP、看取り)」p.17
協力医療機関の義務化に未対応の施設が抱えるリスクと、同業の整備状況

協力医療機関の義務化に未対応のまま2027年4月1日を迎えても、2026年9月時点で確認できる範囲に、これに特化した減算や罰則はありません。
ただし運営基準違反として運営指導の対象になり、届出の義務違反は今の時点で起きます。
同業の整備状況も押さえておきましょう。
リスクと同業の状況を、次の2点で確認します。
- 減算・罰則の有無と、運営指導・集団指導で指摘される内容
- 高齢者施設の整備率と、協力医療機関を定めた効果
複数施設を抱える法人本部の担当者は、役員会や理事長に「残り期間」と「欠けている要件」を並べて示すと、判断が早まります。
減算・罰則の有無と、運営指導・集団指導で指摘される内容
協力医療機関の未確保に特化した減算や罰則は、2026年9月時点で確認できません。
ただし、基準上の義務に対応していなければ、運営指導で運営基準違反を指摘され、期限を定めた改善や改善報告を求められる可能性があります。
協力医療機関に関して確認対象になり得るのは、主に次の項目です。
- 現在の協力医療機関と、各医療機関が担う要件を確認できるか
- 年1回以上、急変時などの対応を協力医療機関と確認しているか
- 協力医療機関の名称や取り決めの内容を、指定権者へ届け出ているか
- 医療機関名や契約内容を変更した場合、速やかに届け出ているか
- 3要件を満たす協力医療機関を確保できていない場合、確保計画を届け出ているか
- 特養などで緊急時などの対応方針を定め、年1回以上見直しているか
- 確認日、相手方の担当者名、協定書、届出書の控えなどを保存しているか
3要件を満たす協力医療機関の確保は2027年3月31日まで努力義務ですが、年1回の確認と届出、未確保時の確保計画などはすでに義務です。
2027年4月1日以降は、3要件を満たす協力医療機関を定めているかどうかも確認対象になります。
なお、集団指導は個別施設の違反を指摘する場ではありません。
制度や運営基準に関する正確な情報を一斉に伝え、違反や不適切な運営を未然に防ぐために実施されます。
運営指導の具体的な流れや対策について詳しく知りたい方は、次の関連記事をご覧ください。
【関連記事】実地指導(運営指導)通知後の対策マニュアル|必要書類・引っかかる原因・改善報告まで解説
高齢者施設の整備率と、協力医療機関を定めた効果
3要件を満たす協力医療機関を定めている割合は、「特養67.9%」「老健83.3%」「介護医療院84.9%」「養護老人ホーム60.4%」です。
また、3要件を満たす協力医療機関を定めている特養の59.6%が、「利用者の健康管理を的確・迅速に行えるようになった」と回答しています。
参考:厚生労働省「医療・介護連携、人生の最終段階の医療・介護(高齢者施設と医療機関の連携強化・感染対応力の向上、ACP、看取り)」p.5
高齢者施設の施設長・管理者は、2027年3月までの準備を逆算しよう

協力医療機関の義務化まで、記事公開時点で残りは約7ヵ月です。
施設長の仕事は、3要件の充足を確かめ、欠けている要件の連携先を決め、協定と届出を期限内に終えることです。
医療機関側の検討には時間がかかるため、月ごとの到達点を決めておきましょう。
準備の工程を、次の4段階に分けて逆算します。
- 2026年9〜10月:現在の協力医療機関を3要件で棚卸しし、届出と協定書の控えを確認する
- 2026年11〜12月:欠けている要件の依頼先を決めて交渉し、確保計画を更新する
- 2027年1〜3月:協定の締結・届出・緊急時対応方針の見直しと職員への周知を終える
- 2027年4月以降:年1回の確認と届出を年間行事に組み込み、令和9年度改定の内容を反映する
各月の到達点は、理事長への報告日とあわせて決めておきましょう。
2026年9〜10月:現在の協力医療機関を3要件で棚卸しし、届出と協定書の控えを確認する
今の協力医療機関が①②③のどれを担っているかを文書で確認し、直近の届出(別紙1)の控え、協定書、確保計画の提出状況をそろえて、理事長への第1報を10月中に出します。
2026年11〜12月:欠けている要件の依頼先を決めて交渉し、確保計画を更新する
欠けている要件ごとに候補を挙げ、11月中に打診、12月までに内諾を目標にします。
断られた場合は確保計画を更新して自治体や医師会に相談します。
2027年1〜3月:協定の締結・届出・緊急時対応方針の見直しと職員への周知を終える
協定書を締結し、別紙1の届出を提出し、緊急時などの対応方法を配置医師と協力医療機関の協力を得て見直します。
職員に夜間の連絡先や診察を依頼するタイミングを研修で周知し、3月末までに理事長へ完了報告を出します。
2027年4月以降:年1回の確認と届出を年間行事に組み込み、令和9年度改定の内容を反映する
年1回の対応確認と届出、対応方法の見直し、連携加算の会議を年間行事表に固定します。
令和9年度介護報酬改定の審議報告と告示も確認します(介護報酬改定2027年度の論点)。
協力医療機関との情報共有を支える介護ソフト「ファーストケア」

協力医療機関の義務化への対応では、急変時や会議の場で入所者の現病歴・服薬・直近の状態をすぐ示せることが、連携の実効性を左右します。
「ファーストケア」は、請求・記録・計画書が1つに集約された介護ソフトで、特養・老健などの施設サービスに対応しています。
ファーストケアとの関係を、次の3点で確認します。
- 急変時や会議で必要な入所者の記録を、日々の記録から取り出せる
- 特養・老健から特定施設・グループホームまで対応している
- 導入前の相談で、対応サービスやデータ移行を確認できる
導入の判断は、資料と体験版で機能を確かめてからで十分です。
急変時や会議で必要な入所者の記録を、日々の記録から取り出せる
施設の現場では、タブレットで記録を入力する「ファーストケア・ポータブル」で日々の記録をその場で残し、ファーストケアに集約できます。
急変時の申し送りや、協力医療機関との会議に出す入所者の情報を、日々の記録から取り出して準備できます。
特養・老健から特定施設・グループホームまで対応している
「ファーストケア」は、ほぼすべての介護保険サービスに対応しており、施設ごとにソフトを分ける必要がありません。
本部統括システム「トータルマネジメント」で、本部から各施設の状況を確認する体制も作れます。
ケアプランデータ連携システムにも標準で対応し、CSVファイルを手動で操作することなくデータを直接送信できます。
施設間の情報共有をさらに効率化したい方は、仕組みや導入メリットを解説した以下の関連記事もあわせてご覧ください。
関連記事:【最新】ケアプランデータ連携システムとは?今さら聞けない概要をわかりやすく徹底解説
導入前の相談で、対応サービスやデータ移行を確認できる
導入前の相談では、自施設のサービス構成や運用に合わせた使い方を確認できます。
相談時は、「対応サービス」「既存データの移行方法」「本部と施設の権限設定」を聞いておくと、導入後の運用をイメージしやすくなります。
「ファーストケア」の導入をご検討中の方は、目的に合わせて以下のボタンをお選びください。
導入方法やデータ移行を相談したい方は「お問い合わせ」
機能や対応サービスを確認したい方は「資料ダウンロード」へお進みいただけます。
協力医療機関の義務化に関するよくある質問

協力医療機関の義務化について、特養の施設長や事務担当者から寄せられやすい疑問に、一文目で結論を示す形で回答します。
本文で扱った内容は要点に絞り、根拠の所在を添えます。
以下の8問について、順に回答していきます。
- 協力医療機関との連携は義務化されるのですか?いつからですか?
- 協力医療機関の3要件とは何ですか?
- 協力医療機関と嘱託医(配置医師)の違いは何ですか?
- 協力医療機関を1か所に定められない場合はどうすればよいですか?
- 協力医療機関に関する協定書とは何ですか?契約書と違いますか?
- 協力医療機関を定めない場合に罰則はありますか?
- 協力医療機関連携加算の会議は年に何回必要ですか?
- 経過措置は延長されますか?2027年度の介護報酬改定で何が議論されていますか?
気になる質問から読んでください。
協力医療機関との連携は義務化されるのですか?いつからですか?
特養・老健・介護医療院・養護老人ホームは義務で、2027年3月31日まで努力義務、2027年4月1日から義務です。
軽費老人ホーム・特定施設・認知症グループホームは努力義務のままです。
協力医療機関の3要件とは何ですか?
①急変時の相談対応、②診療、③入院受け入れ(病院に限る)の体制を常時確保していることで、複数の医療機関で分担できます。
協力医療機関と嘱託医(配置医師)の違いは何ですか?
配置医師は施設側の医師、協力医療機関は施設外の医療機関で、③の入院受け入れは病院が必要です。
協力医療機関を1か所に定められない場合はどうすればよいですか?
①②と③を別の医療機関に分けて定めて差し支えなく、確保できるまでは確保計画を届け出ます。
協力医療機関に関する協定書とは何ですか?契約書と違いますか?
「要件の分担」「連絡先」「診療・入院の方法」「再入所」「情報共有の取り決め」を文書にしたもので、名称は問いません。
協力医療機関を定めない場合に罰則はありますか?
特化した減算・罰則は2026年9月時点で確認できませんが、運営基準違反として運営指導で指摘されます。
協力医療機関連携加算の会議は年に何回必要ですか?
2026年6月算定分から原則年3回以上で、電子的システムで随時確認できる体制があれば年1回以上です。
経過措置は延長されますか?2027年度の介護報酬改定で何が議論されていますか?
2026年9月時点で、経過措置の延長は決まっていません。
現行の取扱いでは、対象施設が①~③を満たす協力医療機関を定めることは2027年3月31日まで努力義務で、2027年4月1日から義務となります。
制度が改正されない限り、この日程を前提に準備を進める必要があります。
2026年9月3日の第264回社会保障審議会介護給付費分科会では、2027年度介護報酬改定に向け、次の点が論点として示されました。
- 協力医療機関の確保状況や制度の意義を踏まえ、制度の今後の在り方をどう考えるか
- 高齢者施設などと医療機関の実効性ある連携体制を構築するため、どのような方策が考えられるか
資料には、要件を満たす連携体制の整備割合に施設種別・地域による差があること、対応予定のない施設が残っていること、医療機関が常時の診療・相談体制の確保を難しいとして協力を断る例があることも示されています。
連携先の調整や状況把握も検討に関わる課題ですが、経過措置の延長や具体的な支援策が決定したという意味ではありません。
参考:厚生労働省「医療・介護連携、人生の最終段階の医療・介護(高齢者施設と医療機関の連携強化・感染対応力の向上、ACP、看取り)」p.71
【まとめ】協力医療機関の義務化に向けて高齢者施設などの施設長・管理者が今週やること

協力医療機関の義務化は2024年度改定で決定済みで、2027年4月1日から本則どおりの義務になります。
3要件を今の連携先に当てはめれば、欠けている要件と依頼先の候補が決まります。
届出と確保計画は経過措置なしの義務なので、控えの有無を先に確かめましょう。
- ☐ 今の協力医療機関の名称と3要件の充足を表にした
- ☐ 直近の届出の控えと協定書の有無を確認した
- ☐ 欠けている要件の依頼先候補を挙げた
- ☐ 確保計画の要否を判断した
- ☐ 理事長への報告日を決めた
令和9年度改定は介護報酬改定2027年度の論点、運営指導は運営指導の対策マニュアルで確認できます。
記録・情報共有の効率化も検討される場合は、「ファーストケア」の資料ダウンロード・体験版からお進みください。
まずは今の協力医療機関の名称と3要件の充足を、1枚の表に書き出してみましょう。

