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実地指導(運営指導)通知後の対策マニュアル|必要書類・引っかかる原因・改善報告まで解説

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実地指導(運営指導)の通知が届いたら、まず「対象期間」「事前提出書類」「当日提示書類」「対応担当者」の4点を確認しましょう。

慌てて書類を集めはじめる前に、「いつ来るのか」「どの期間の書類を見られるのか」「何を事前に提出するのか」「誰が準備を担当するのか」を解説します。

実地指導で指摘につながりやすいのは、単に書類が不足している場合だけではありません。
ケアプラン・介護記録・勤務表・加算資料・請求内容の間に矛盾があると、サービス提供の実態や請求の根拠を説明できず、指摘や返還リスクにつながる可能性があります。

特に、記録不足を隠すために後から書類を作成したり、日付や内容を書き換えたりする対応は避けなければなりません。
虚偽記録や改ざんと判断されると、実地指導から監査へ移行し、行政処分につながるおそれもあります。

この記事では、実地指導(運営指導)の通知が届いた直後にやるべきことから、必要書類や引っかかりやすい原因、当日の対応と改善報告書の考え方までを整理します。

突然の通知に焦っている施設長や、監査に移行するリスクをできる限り抑えたい法人経営者の方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

通知が来て焦っている方へ!実地指導(運営指導)通知が届いたら最初にやること

実地指導通知受領後の初動対応

実地指導(運営指導)の通知が届いたら、まずおこなうべきことは、慌てて書類を集めることではありません。
最初に「いつ来るのか」「どの期間の書類を見られるのか」「誰が準備を担当するのか」を整理することが大切です。

初動で確認すべきポイントは、主に以下の3つです。

  • 「いつ・何を見られるのか」を最初に整理する
  • 担当者を決め、自己点検シートで不足書類を洗い出す
  • 書類が不足していても、あとから作成・書き換えをしない

ここでは、実地指導の通知が届いた直後にやるべき初動対応を、順番に解説します。

「いつ・何を見られるのか」を最初に整理する

実地指導の通知書が届いたら、慌てて書類を集めるのではなく、「何を」「いつまでに」「誰が準備するか」を整理することが大切です。
まずは「実施日時」と「対象期間」を確認しましょう。

通知書には、行政担当者が来る日時や、確認対象となる期間が記載されています。
特に重要なのは、行政がどの期間の記録を見るのかを把握することです。

例えば、対象期間が過去1年分なのか、複数年分なのかによって、準備する書類の量は大きく変わります。
まずは以下の項目を確認しましょう。

通知書における基本確認項目
確認項目 確認する内容
実施日時 行政担当者が来る日・開始時間
対象期間 何年何月から何年何月までの記録を見るのか
事前提出書類 期限までに自治体へ提出する資料
当日提示書類 当日、事業所内で提示する資料
行政担当者 所属・人数・担当部署
事業所側の対応者 管理者・事務担当・現場責任者など

勤務表・介護記録・サービス提供記録・加算に関する資料・請求内容などについて、どこまで確認されるのかを先に整理しておくと、準備の優先順位をつけやすくなります。

また、行政担当者が複数名で来ることもあるため、書類確認スペースや現場案内の担当者も早めに決めておきましょう。

参考:厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル

担当者を決め、自己点検シートで不足書類を洗い出す

実地指導の準備を、管理者や施設長だけで抱え込むのは避けましょう。
介護事業所では、日々の業務と並行して書類を確認する必要があるため、一人で対応しようとすると確認漏れが起こりやすくなります。

まずは、事務担当・現場責任者・加算や請求を管理している職員など、実務を把握している職員と役割を分担します。

実地指導準備における職種別役割分担
担当者 主な確認内容
管理者・施設長 全体進行、行政対応、最終確認
事務担当 契約書、重要事項説明書、提出書類
現場責任者 介護記録、サービス提供記録、モニタリング
請求担当 請求内容、加算算定、過誤の有無
人事・労務担当 勤務表、出勤簿、資格者配置

自治体が指定または公開している自己点検シートがある場合は、必ず活用しましょう。
自己点検シートを使うことで、運営基準・人員配置・記録・加算・虐待防止・感染症対策・BCP(事業継続計画)など、確認すべき項目を一覧で整理できます。

準備の流れは次のとおりです。

  1. 通知書の内容を確認する
  2. 自己点検シートを入手する
  3. 担当者ごとに確認項目を分ける
  4. 不足書類・不明点を一覧化する
  5. 提出期限までに優先順位をつけて対応する

ここで大切なのは、経験則のみに頼って準備を進めないことです。
通知書や自己点検シートに沿って、不足書類や記録のズレを見える化しましょう。

参考:厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル
参考:静岡県「介護保険施設等運営指導 事前提出資料様式
参考:介護・障害情報提供システム「運営指導の事前提出資料(自己点検シート)について

書類が不足していても、あとから作成・書き換えをしない

実地指導の準備を進めていると、「この記録がない」「同意書の日付が抜けている」「加算の根拠資料が見当たらない」といった不足が見つかることがあります。
このときに最も避けるべきなのが、あとから記録を作ったり、内容を書き換えたりすることです。

記録不足そのものも指摘の対象になりますが、虚偽の記録作成や改ざんは、より重く見られる可能性があります。
単なる不備としてではなく、不正や隠蔽と判断されると、実地指導から監査へ移行するおそれもあります。

不足が見つかった場合は、次のように対応しましょう。

不備発見時の不適切な対応と適切な対応の比較
不備の内容 避けるべき対応 取るべき対応
記録がない 実施したことにして後から作る 不足している事実を整理する
日付が抜けている さかのぼって記入する 原因と今後の確認方法を整理する
会議録がない 開催したように作成する 実施状況を確認し、再発防止策を考える
勤務表と実績が違う 勤務表を書き換える 予定と実績の差異を説明できるようにする

実地指導では、不備そのものよりも、不備を隠そうとする対応の方が大きな問題になります。
不足している書類がある場合は、現状を正確に把握し、なぜ不足が起きたのか、今後どう改善するのかを説明できる状態にしておきましょう。

参考:厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル」「「介護保険施設等に対する監査マニュアル」について(通知)

 

そもそも実地指導(運営指導)とは?監査との違いを整理

運営指導における行政担当者の確認項目

実地指導(運営指導)とは、介護事業所の運営状況やサービス提供の内容、介護報酬の請求状況などを行政が確認する取り組みです。
ただし、虚偽記録や不正請求、著しい基準違反が疑われる場合は、処分を前提とした「監査」に切り替わる可能性があります。

ここでは、実地指導(運営指導)の基本と、監査との違いをわかりやすく整理します。

「実地指導」が「運営指導」に変わり、確認方法も見直されている

以前は「実地指導」という呼び方が一般的でしたが、現在は「運営指導」という名称が使われる場面が増えています。
介護事業所の運営状況やサービス提供の実態、介護報酬の請求内容などを確認する取り組みです。

ただし、確認する書類をむやみに増やすのではなく、標準確認項目や確認文書に沿って、必要な範囲に絞って確認する方針が示されています。

また、設備や利用者の生活実態など、現地で確認が必要な内容は現場でチェックされることが一般的です。

一方で、書類や記録の一部は、情報セキュリティを確保したうえで、オンライン会議システムや電子データを活用して確認される場合もあります。

現場では今でも「実地指導」と呼ばれることが多く、検索でも旧名称で調べる方が少なくありません。
そのためこの記事では、旧称と現行の名称がわかるように「実地指導(運営指導)」と併記しました。

運営指導で確認されやすい書類は、次のとおりです。

  • 運営規程
  • 重要事項説明書
  • 契約書・同意書
  • 勤務表
  • 出勤簿・タイムカード
  • 介護記録
  • サービス提供記録
  • ケアプラン・個別サービス計画
  • モニタリング記録
  • 加算に関する資料
  • 会議録・研修記録
  • BCP、感染症対策、虐待防止に関する資料

自治体によって、事前提出資料や確認方法が異なる場合があるため、通知書や自治体の案内を必ず確認しましょう。

参考:厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル」「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料
参考:国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター「オンライン会議システム等を活用した介護保険施設等への運営指導等の在り方に関する調査研究報告書

どのようなときに「監査」へ切り替わるのかを知っておく

実地指導(運営指導)は、基本的には介護事業所の運営を確認し、必要な改善を促するためのものです。

一方で、確認のなかで著しい基準違反や不正請求の疑いが見つかった場合は、監査へ切り替わる可能性もあります。

特に注意したいのは、書類の不足そのものよりも、あとから記録を作成したり、日付や内容を書き換えたりする行為。
こうした対応は、単なる事務ミスではなく、虚偽記録や改ざんと見られるおそれがあります。

加えて、利用者や家族、職員などからの通報をきっかけに、監査へ進むケースもあるため注意が必要です。

監査の結果、不正請求や重大な基準違反が確認された場合には、介護報酬の返還を求められたり、指定の効力停止・指定取消などの行政処分につながったりする可能性があります。

「単なる確認だから問題ない」と軽く考えず、日頃から記録や請求内容を説明できる状態にしておくことが大切です。

参考:厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル」「「介護保険施設等に対する監査マニュアル」について(通知)

 

実地指導(運営指導)で重点的に見られる「3つのポイント」と引っかかりやすい失敗

実地指導で重点的に確認される3つのポイント

実地指導(運営指導)では、主に次の3つが重点的に確認されます。

  • ① ケアプランと記録のつながり:「実施したのに記録がない」が指摘につながりやすい
  • ② 人員配置と運営体制:勤務表の「予定」と「実績」のズレが確認されやすい
  • ③ 加算の根拠資料:算定しているだけでは認められない

書類が一通りそろっていても、計画書・勤務表・記録・請求内容にズレがあると、指摘につながる可能性があります。

① ケアプランと記録のつながり:「実施したのに記録がない」が指摘につながりやすい

ケアプランや個別サービス計画は、作成して終わりではありません。
実地指導(運営指導)では、計画書に書かれた内容と、日々の介護記録・サービス提供記録・モニタリング記録がきちんと連動しているかが確認されます。

例えば、ケアプランには「入浴介助をおこなう」と記載されているのに、介護記録に実施内容が残っていない場合、行政担当者から「実際にサービスを提供した根拠はありますか」と問われることがあるでしょう。
現場で支援していても、記録がなければ、あとから説明するのは難しくなりがちです。

加えて、利用者や家族への説明と同意の流れも重要な確認ポイント。
計画書の作成日や同意日、署名、モニタリングの実施状況がつながっていないと、形式だけの計画書と受け取られるおそれがあります。

【見られるポイント】

  • ケアプランや個別サービス計画と、実際のサービス内容が一致しているか
  • 介護記録やサービス提供記録に抜けがないか
  • モニタリングが適切な時期におこなわれているか
  • 利用者や家族の同意日・署名が確認できるか

【引っかかりやすい失敗】

  • 利用者ごとの状態に合わない、画一的な計画書になっている
  • サービスは実施しているのに、記録が残っていない
  • モニタリングの実施漏れや記録不足がある
  • 同意日や署名の抜けがあり、説明・同意の流れを確認できない

特に注意したいのは、「現場ではやっているから大丈夫」と考えてしまうことです。
実地指導(運営指導)では、実施した事実を記録で説明できる状態にしておくことが大切です。

参考:厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル」「別紙2 別添 確認項目及び確認文書

② 人員配置と運営体制:勤務表の「予定」と「実績」のズレが確認されやすい

人員配置で確認されるのは、予定上の勤務表だけではありません。
実地指導(運営指導)では、勤務表・出勤簿・勤怠記録、資格者の配置状況などを照らし合わせ、必要な人員が基準どおり確保されているかを確認します。

例えば、勤務表では基準を満たしているように見えても、実際には欠勤や退職によって人員が不足していることがあります。
予定表だけ整っていても、実際の出勤状況と合っていなければ説明が必要です。

また、運営体制に関する書類も確認対象です。
BCP・感染症対策・虐待防止・研修記録や委員会の開催記録などは、サービス種別によって確認される内容が異なります。

自事業所に必要な基準を把握し、実施状況を記録で残しておくことが重要です。

【見られるポイント】

  • 勤務表と実際の出勤簿・タイムカードが一致しているか
  • 必要な人員数を満たしているか
  • 資格者が基準どおり配置されているか
  • BCP、感染症対策、虐待防止、研修記録などの体制が整備されているか

【引っかかりやすい失敗】

  • 予定では人員を満たしていても、実績では不足している
  • 退職者や休職者の名前が勤務表に残っている
  • 資格要件を満たさない職員を配置基準に含めている
  • 研修や委員会の記録が残っておらず、運営体制を説明できない

人員配置や運営体制は、日々の現場運営と直結する部分です。
勤務表を作成するだけでなく、実績と照らし合わせて確認する習慣を持つことが、指摘を防ぐための基本になります。

参考:厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル」「別紙2 別添 確認項目及び確認文書
参考:高槻市の介護・障がい福祉専門行政書士が解説「BCP・虐待防止・身体拘束適正化の3つの委員会運営ガイド

③ 加算の根拠資料:算定しているだけでは認められない

加算は、算定しているだけでは認められません。
実地指導(運営指導)では、加算の算定要件を満たしていることを、計画書・会議録・研修記録・職員配置・サービス提供記録などで確認されます。

例えば、加算に必要な会議を実施していても、議事録が残っていなければ、根拠資料として提示できません。
また、専門職の配置要件を満たしていない期間まで加算を請求していた場合、過誤請求や返還につながる可能性があります。

特に注意したいのは、担当者が変わったあとも以前の運用のまま請求を続けてしまうケースです。
制度改定や算定要件の変更に気づかないまま請求していると、悪意がなくても不適切請求と見られるおそれがあります。

【見られるポイント】

  • 加算算定に必要な計画書・記録・会議録がそろっているか
  • 研修や委員会の実施記録が残っているか
  • 専門職の配置要件を満たしている期間と請求期間が一致しているか
  • 算定要件を満たしていることを説明できるか

【引っかかりやすい失敗】

  • 加算に必要な会議録や研修記録が残っていない
  • 配置要件を満たしていない期間も請求を続けている
  • 算定要件の変更に気づかず、以前の運用のまま請求している
  • 担当者変更後に確認が引き継がれず、不適切請求と見られる

加算は事業所の収益に関わる重要な部分ですが、その分、実地指導でも確認されやすい項目です。
算定している加算ごとに必要な記録を整理し、請求内容と根拠資料が一致しているかを定期的に確認しておきましょう。

参考:厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル
参考:名古屋市「監査・運営指導におけるよくある指摘事項について

 

実地指導(運営指導)の前にやるべき書類整理と保存期間

実地指導前の書類整理と保存期間の注意点

実地指導(運営指導)の通知が届いたら、対象期間の書類を「事前に提出するもの」と「当日に提示するもの」に分けて整理しましょう。
保存期間内の書類を処分していると、サービス提供の実態や加算算定の根拠を説明できなくなる可能性も出てきます。

ここでは、実地指導前に確認しておきたい書類整理の進め方と、保存期間で注意したい点を解説していきます。

事前に出す書類と、当日に見せる書類を分けて整理する

実地指導(運営指導)では、事前に提出を求められる書類と、当日に提示する書類があります。
通知書を確認せずにすべての書類を一括で集めようとすると、必要な資料が埋もれてしまい、準備に時間がかかります。

まずは、自治体から届いた通知書や案内文を確認し、提出期限がある書類と、当日まで事業所内で準備しておく書類を分けましょう。

事前提出書類と当日提示書類の区分一覧
区分 主な書類例
事前提出書類 自己点検シート・事業所概要・勤務体制一覧表・利用者一覧・加算算定状況
当日提示書類 契約書・同意書・ケアプラン・介護記録・勤務表・出勤簿・加算資料
運営関係 運営規程・重要事項説明書・苦情対応記録・事故報告書
体制関係 研修記録・委員会議事録・BCP・感染症対策・虐待防止関連資料

当日に提示する書類は、行政担当者から求められたときにすぐ出せる状態にしておくことが大切です。
紙で管理している場合はファイルごとに分け、電子データで管理している場合は保存場所や確認方法を担当者間で共有しておきましょう。

参考:厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル」「別紙2 別添 確認項目及び確認文書
参考:茨城県「介護保険法に基づく運営指導に係る事前提出書類等
参考:川崎市「記録の整備・保存
参考:大阪市「居宅サービス事業所等に係る運営指導当日準備書類等について

古い書類を捨てていて「確認できません」では済まされない

実地指導(運営指導)では、通知書に記載された対象期間の書類を確認されます。
過去の書類だからといって処分していると、サービス提供の実態や加算算定の根拠を説明できなくなる可能性があります。

特に、次のような書類は後から運営状況を確認するために重要です。

  • 介護記録
  • サービス提供記録
  • 勤務表
  • 出勤簿
  • 契約書
  • 同意書
  • 加算に関する資料
  • 会議録
  • 研修記録
  • 請求関連資料

保存期間は、書類の種類や自治体の運用によって異なる場合があります。
そのため、通知書や自治体の案内を必ず確認しましょう。

もし対象期間の書類が見つからない場合でも、慌てて作り直したり、日付をさかのぼって整えたりしてはいけません。
まずは不足している書類を一覧にし、なぜ不足しているのか、今後どのように再発を防ぐのかを説明できるように整理することが大切です。

参考:厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル」「介護分野の文書に係る負担軽減について(意見)
参考:川崎市「記録の整備・保存

 

実地指導(運営指導)で悪質な場合の行政処分(指導・勧告・命令・指定取消)の5段階

悪質な場合における行政処分の5段階

実地指導(運営指導)では、単なる記録漏れや書類不備だけで、すぐに返還金や指定取消につながるわけではありません。
しかし、虚偽記録・不正請求・人員基準違反の隠蔽などが疑われる場合は、監査を経て、より重い対応へ進む可能性があります。

ここでは、行政処分の重さをイメージしやすいように、「指導」「勧告」「命令」「指定の効力停止」「指定取消」の5段階に分けて整理します。

なお、ここでいう「5段階」は、介護事業所が処分の重さを把握しやすくするための整理です。
実際には、すべての事業所がこの順番を必ず一段ずつ進むわけではなく、不正の内容や悪質性によっては、監査の結果を踏まえて一気に重い対応へ進むこともあります。

行政処分の5段階の図解

参考:厚生労働省「「介護保険施設等に対する監査マニュアル」について(通知)

①指導
最も初期の段階で、軽微な不備や改善が必要な点について、行政から見直しを促されます。
厚生労働省の運営指導マニュアルでも、指導は行政指導であり、相手方の任意の協力によって実現されるもので、強制力はないと整理されています。
この段階は、「すぐ処分される」というより、「まず適正な運営へ戻してください」という意味合いが強いと考えるとわかりやすいでしょう。

②勧告
運営基準違反などが認められ、改善が必要だと判断された場合に進む段階です。
単なるお願いではなく、「このままでは問題があるので改善してください」と、よりはっきり是正を求められる状態です。
軽い記録漏れだけで直ちにここへ進むとは限りませんが、基準違反が明確な場合は、この段階を意識する必要があります。

③命令
勧告を受けても改善されない場合などに、さらに重い対応として命令へ進むことがあります。
ここまで来ると、「改善してください」というレベルから一歩進み、「改善しなければならない」という段階に入ります。
現場の実務上の観点からは、管理者や法人本部が本気で是正対応を進めなければならない局面です。

④指定の効力停止
命令にも従わない場合や、違反の内容が重い場合には、指定の効力停止という非常に重い処分につながる可能性があります。
これは、一定期間、サービスのすべてまたは一部を提供できなくなる処分です。
利用者対応や職員配置、収益、地域での信頼に大きな影響が出るため、経営上のダメージは小さくありません。

⑤指定取消
最も重いのが指定取消です。
指定取消になると、その事業所は介護保険サービス事業所として運営を続けられなくなります。
不正請求や虚偽記録、重大な基準違反、隠蔽など、悪質性が高いと判断された場合に現実的なリスクとなり得ます。
ここまで進むと、法人全体の信用や経営継続そのものに影響する重大な事態です。

参考:厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル」「「介護保険施設等に対する監査マニュアル」について(通知)
参考:瀬戸市「介護保険法の規定による行政処分等の処分基準
川崎市:「川崎市における過誤調整の事例

また、返還金は、この5段階のどこかに単独で並ぶものではなく、不適切な請求や不正請求が認められたときに、あわせて発生しうる重要なリスクです。

例えば、加算の要件を満たしていないのに請求を続けていた場合や、人員基準を満たしていない期間の請求が確認された場合は、過誤調整や返還を求められる可能性があります。

現場で特に注意したいのは、「軽微な不備なら問題ないだろう」と放置しないことです。
指導の段階で修正できることを後回しにすると、問題が長期化し、結果として勧告・命令・効力停止・指定取消へと深刻化するおそれがあります。

 

過去の実地指導(運営指導)事例に学ぶ、経営者が知っておくべきリスク管理

過去の事例から学ぶ経営者のリスク管理

実地指導(運営指導)や監査の事例を見ると、行政処分につながる原因は「書類が足りなかった」だけではありません。
特に、サービス提供の実態と記録・請求内容が合っていない場合や、加算要件を満たしていないまま請求を続けていた場合は、返還金や指定の効力停止・指定取消につながることがあります。

経営者・管理者が見るべきポイントは、単に「書類があるかどうか」ではありません。
重要なのは、以下のような書類同士のつながりです。

各種書類間の整合性確認フロー
確認する流れ 見るべき書類
計画どおりに支援したか ケアプラン・個別サービス計画・介護記録
実際に職員が配置されていたか 勤務表・出勤簿・資格証
加算要件を満たしていたか 会議録・研修記録・職員配置・計画書
請求内容に根拠があるか 請求データ・サービス提供記録・加算資料

例えば、福岡市の公表事例では、声掛けにとどまっているにもかかわらず、訪問介護サービスを提供したとして介護給付費を請求・受領した事案がありました。
返還請求額は、不正受領額に40%を乗じた加算額を含めて2,768,553円とされています。
この事例は、サービス提供の実態と請求内容が合っていないと、金銭的な返還リスクが生じることを示しています。

参考:福岡市「介護保険指定事業者に対する処分について

また、同じく福岡市の別事例では、地域密着型通所介護などにおいて、看護職員の人員基準を満たしていないにもかかわらず減算せずに満額で請求したケースが報告されています。
さらに、各種加算の要件を満たしていないまま加算金を請求・受領していました。
人員基準や加算要件は、日々の勤務表・職員配置・記録と密接に関わるため、「請求だけ先に進んでいる状態」は返還や指摘につながる可能性があります。

参考:福岡市「介護サービス事業所の行政処分について

名古屋市の公表事例では、不正請求額に40%を乗じた加算金を含め、返還金額がそれぞれ1,702,030円、817,311円と示されています。
不正請求が認められた場合、単に受け取った給付費を返すだけでなく、加算金が上乗せされることがあります。
返還金は、事業所の資金繰りや法人経営に直接影響するため、経営者が把握しておきたいリスクです。

参考:名古屋市「介護保険サービス事業所に対する行政処分

さらに、柏市の公表事例では、医師の指示書の指示期間を改ざんしてサービス提供をおこない、介護給付費を不正に受領したとして、指定の一部効力停止処分がおこなわれています。
医師の指示書を改ざんしていた点は、悪質性が高いと判断されやすいポイントです。
柏市は、不正に請求して受領していた介護給付費の返還を求めています。
あわせて、返還金額の40%を加算金として徴収するとしています。

参考:柏市「指定居宅サービス事業者等に対する行政処分について(令和8年1月21日発表)

厚生労働省の監査マニュアルでも、不正請求などの不正が認められる場合や疑いがある場合には、指定権者が監査権限を行使して事実関係を把握し、法律に則った行政処分までの手続きを進めることが重要とされています。
実地指導の段階で見つかった不備でも、虚偽や不正の疑いがある場合は、監査や行政処分へ進む可能性があるということです。

参考:厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル

これらの事例からわかるのは、経営者・管理者が見るべきポイントは「書類があるかどうか」だけではないということです。
勤務表・サービス提供記録・加算の根拠資料・請求内容がつながっているかを定期的に確認し、ズレがあれば軽いうちに直す必要があります。

特に注意したいのは、現場担当者任せにして、加算要件や人員基準の確認が属人化している状態です。
担当者が退職したり、制度改定に気づかなかったりすると、古い運用のまま請求を続けてしまうことがあります。
その結果、悪意がなくても不適切請求と見られ、返還や行政処分につながるおそれがあります。

過去の事例は、他の介護事業所だけの話ではありません。
自事業所でも、記録・請求・人員配置・加算要件の確認を定期的におこない、実地指導(運営指導)で説明できる状態を作っておくことが、経営リスクを下げる基本になります。

 

実地指導(運営指導)当日の流れとヒアリングで慌てない答え方

実地指導当日の流れとヒアリングへの対応

実地指導(運営指導)当日は、「開始前の準備→書類確認→現場確認→ヒアリング→講評」の流れで進むのが一般的です。
対応する職員や書類の保管場所が曖昧なままだと、当日の受け答えや案内で慌てやすくなります。

そこで当日を落ち着いて乗り切れるよう、最低限おさえておきたいポイントを先に整理します。

  • 当日朝, 対応する職員と動き方を最終確認する
  • あいさつのあと、書類確認と現場確認が順に進む
  • 聞かれたことだけを、事実ベースで簡潔に答える
  • わからないことはその場で言い切らず、確認してから答える

順に見ていきましょう。

当日朝、対応する職員と動き方を最終確認する

書類の仕分けは事前に済ませておくのが前提ですが、当日になって「誰がどこを案内するか」「誰が答えるか」が決まっていないと、現場が一気に慌ただしくなります。
開始前に、対応者と動線を確認しておきましょう。

  • 施設長、管理者、事務担当、現場責任者などの同席者を決めておく
  • 行政担当者を案内する場所や書類確認スペースを準備する
  • 質問されたときに誰が答えるかを事前に共有しておく
  • 電話や来客対応で対応者が抜けないよう、当日のシフトを調整する

当日の対応では、すべてを管理者一人で答えようとする必要はありません。
請求・記録・人員配置など、内容に応じてわかる職員が正確に答えられる体制を作っておくことが重要です。

参考:厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル」「「介護保険施設等に対する監査マニュアル」について(通知)
参考:前橋市「【介護・高齢・障害共通】指導監査(運営指導等)の流れ
参考:日本通所ケア研究会「実地指導の流れについて

あいさつのあと、書類確認と現場確認が順に進む

実地指導は、最初のあいさつからはじまり、書類確認・現場確認・ヒアリング・講評へと進む流れが一般的です。
どの場面で何を見られるのかを知っておくと、当日の動きが落ち着きます。

実地指導当日の一般的な進行スケジュール
流れ 内容
開始あいさつ 行政担当者と事業所側で当日の流れを確認
書類確認 勤務表・記録・加算資料・請求資料などを確認
現場確認 施設内・設備・掲示物・利用者の生活環境などを確認
ヒアリング 管理者や担当職員へ運用状況を確認
講評 指摘事項や今後の対応について説明

当日は、行政担当者から求められた書類をすぐ提示できる状態にしておくことが大切です。
「担当者しか場所がわからない」「電子データの保存場所がわからない」という状態は避けましょう。

参考:厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル」「「介護保険施設等に対する監査マニュアル」について(通知)
参考:名古屋市「運営指導の当日に準備していただくこと

聞かれたことだけを、事実ベースで簡潔に答える

ヒアリングでは、焦って余計な説明を重ねるほど話が広がりやすくなります。
聞かれたことに対して、記録や事実に基づいて短く答えることが大切です。

良い答え方の例は次のとおりです。

  • 「こちらの記録に記載しています」
  • 「対象期間はこちらで確認しています」
  • 「この加算については、こちらの会議録と研修記録で確認できます」
  • 「担当者に確認して、正確な内容を回答します」
  • 「不足している点は把握しており、再発防止策を整理しています」

一方で、次のような答え方は避けましょう。

  • 「たぶんやっていると思います」
  • 「いつもそうしているはずです」
  • 「記録はありませんが、現場ではやっています」
  • 「担当者しかわかりません」
  • 「あとで記録を整えます」

実地指導では、曖昧な記憶ではなく、記録と事実に基づいて説明することが重要です。

わからないことをその場で言い切らず、確認してから答える

わからないことを無理に答えると、あとから記録と食い違ってしまうことがあります。
不明な点は、その場の勘で答えず、「確認してから回答します」と伝えましょう。

  • わからないことをその場で断言しない
  • 担当者や書類を確認してから回答する
  • 確認が必要な内容はメモに残す
  • 後日回答が必要な場合は期限と担当者を決める
  • 回答内容と記録が矛盾しないようにする

正確に確認してから答えることは、決して悪い対応ではありません。
むしろ、記録と事実に基づいて回答する姿勢は、行政対応において重要です。

 

実地指導(運営指導)後に指摘(文書指導)を受けた場合の「改善報告」の流れ

結果通知の確認から改善報告書提出までの流れ

実地指導(運営指導)が終わっても、対応がすべて完了したわけではありません。
後日届く「結果通知」の内容を確認し、必要に応じて改善報告書を提出するまでが一連の流れとなります。

特に「文書指導」を受けた場合は、指摘内容や提出期限を正確に把握し、具体的な再発防止策を示すことが求められます。

対応の要点となるのは、以下の3つのポイントです。

  • 結果通知が届いたら、指摘内容と「指導の種類」をセットで確認する
  • 「気をつけます」ではなく、再発しない仕組みを書く
  • 期限を過ぎると、さらに重い対応を求められることがある

ここからは、結果通知を受け取ってから改善報告書を作成・提出するまでの具体的なステップと、再提出を防ぐための書き方のコツを詳しく解説します。

結果通知が届いたら、指摘内容と「指導の種類」をセットで確認する

実地指導の後は、当日の講評だけで終わるとは限りません。
後日、自治体から結果通知が届き、そこで指摘内容や今後必要な対応が示される場合があります。

結果通知が届いたら、まず確認すべきなのは「どの書類・どの運用が指摘されたのか」と、「それが口頭指導なのか、文書指導なのか」です。
口頭指導であれば報告書の提出が不要なケースもありますが、文書指導の場合は、改善報告書の提出を求められることがあります。

確認すべき項目は次のとおりです。

  • 指摘された項目
  • 口頭指導か文書指導か
  • 改善報告書の提出が必要か
  • 提出期限
  • 提出方法
  • 社内の対応担当者
  • 改善に必要な資料や記録

ここを曖昧にしたまま対応を進めると、改善すべき内容と報告内容がズレてしまいます。
指摘項目、提出期限や提出方法、社内担当者を一覧にして、誰が何を直すのかを明確にしましょう。

参考:厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル」「「介護保険施設等に対する監査マニュアル」について(通知)
参考:東京都福祉局「介護サービス事業者等指導及び監査実施要綱
参考:江戸川区「運営指導について
参考:八戸市「介護サービス事業所運営指導結果について

「気をつけます」ではなく、再発しない仕組みを書く

改善報告書で大切なのは、反省文を書くことではありません。
行政が確認したいのは、「なぜ不備が起きたのか」と「今後、同じ不備をどう防ぐのか」です。

例えば, 次のような表現だけでは、改善策として弱いと受け取られます。

  • 今後は注意します
  • 職員へ周知します
  • 再発防止に努めます
  • 管理を徹底します

改善報告書では、「誰が・いつ・どの書類を・どの手順で確認するのか」まで書くことが重要です。
例文として、記録漏れが指摘された場合は、次のように具体化します。

介護記録の確認担当者を管理者に定め、毎月末にサービス提供記録と請求内容を照合します。記録漏れがあった場合は、翌月5日までに原因を確認し、職員会議で共有します。確認結果はチェック表に記録し, 管理者が保管します。

改善報告書に記載する内容は、次の4つです。

改善報告書への必須記載事項
項目 書く内容
指摘事項 何を指摘されたのか
原因 なぜ不備が起きたのか
改善内容 何をどのように直したのか
再発防止策 今後同じ不備を起こさない仕組み

再発防止策は、現場で継続できる運用に落とし込むことが重要です。

参考:厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル
参考:川崎市「運営指導等における改善報告書【様式】
参考:新潟県「運営指導における主な指摘内容について

期限を過ぎると、さらに重い対応を求められることがある

改善報告書は、内容だけでなく提出期限も重要です。
期限までに提出しない場合や、改善内容が不十分な場合は、再提出や追加確認を求められることがあります。

特に文書指導を受けている場合、提出期限を過ぎると「改善する意思が弱い」と見られる可能性があります。
すぐに対応が難しい事情がある場合でも、放置せず、早めに自治体へ相談することが大切です。

また、改善報告書を提出して終わりではありません。
報告後も同じ不備が繰り返されれば、次回の実地指導や監査で重く見られる可能性があります。
提出後も、改善策が現場で続いているかを定期的に確認しましょう。

  • 提出期限を必ず確認する
  • 期限に間に合わない場合は早めに相談する
  • 提出前に、指摘内容と改善策が対応しているか確認する
  • 改善報告書を提出した後も、運用が続いているか確認する
  • 同じ不備が再発しないよう、記録を残して管理する

参考:厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル」「「介護保険施設等に対する監査マニュアル」について(通知)
参考:東京都福祉局「介護サービス事業者等指導及び監査実施要綱
参考:江戸川区「運営指導について

 

実地指導(運営指導)への不安を軽減するための「根本的対策」

日常的なシステム化による監査対策

実地指導(運営指導)で慌てないためには、通知が届いてからの場当たり的な対応ではなく、日頃からの備えが欠かせません。
この記事の最後に、不安を軽減するための根本的な対策として、以下のポイントを整理します。

  • 通知が来る前の「日常的なシステム化」が最大の監査対策
  • 【無料DL】令和版・実地指導(運営指導)チェックリストと介護ソフトの活用

属人的なミスを防ぎ、いつでも安心して行政の確認を迎えられる体制づくりの方法について、解説します。

通知が来る前の「日常的なシステム化」が最大の監査対策

実地指導(運営指導)への根本的な対策は、通知が来てから慌てて書類をそろえることではありません。
大切なのは、日頃から記録・請求・人員配置・加算資料を確認できる仕組みを整えること。

紙やExcelで管理している場合、介護記録・請求情報・勤務表・加算資料などが別々のファイルや台帳に分散しているケースもあります。
その結果、介護記録と請求内容が一致しているか、勤務実績と人員基準が合っているか、加算に必要な会議録や研修記録がそろっているかの確認に時間がかかりがちです。

情報が分散しているほど、記録漏れや転記ミス、請求内容とのズレに気づきにくくなります。
実地指導で慌てないためにも、月ごとに以下の項目を確認しておきましょう。

月次で実施すべき確認項目一覧
確認項目 チェック内容
ケアプラン 最新の状態になっているか
介護記録 サービス提供内容が記録されているか
モニタリング 必要な時期に実施されているか
同意書 署名・日付の漏れがないか
勤務表 出勤実績と一致しているか
資格者配置 必要な資格者が配置されているか
加算資料 会議録・研修記録・計画書がそろっているか
請求内容 記録や加算要件と一致しているか
研修・委員会 実施記録が残っているか
事故・苦情 対応と再発防止策が記録されているか

通知が来る前からこの確認を続けていれば、実地指導の通知が届いたときにゼロから慌てて準備する必要がなくなります。

【無料DL】令和版・実地指導(運営指導)チェックリストと介護ソフトの活用

令和版・実地指導チェックリストと介護ソフトの活用

実地指導(運営指導)の準備で何から確認すればよいかわからない場合は、チェックリストを使って自事業所の状況を見える化することが有効です。
付録として、通知直後の初動から書類整理、重点ポイントの確認・当日の対応・改善報告・月次チェックまでをまとめた「令和版・実地指導(運営指導)チェックリスト」を用意しています。

令和版・実地指導(運営指導)チェックリストのダウンロード

このチェックリストでは、主に以下の項目を確認できます。

令和版チェックリストの確認対象領域
区分 確認できる内容
通知受領直後の初動 実施日時・対象期間・事前提出書類・当日提示書類・行政側の人数・事業所側の窓口
担当分担と自己点検 管理者・事務・現場責任者・請求担当・人事・労務の役割分担
書類の区分 事前提出書類と当日提示書類の整理
重点3領域 ケアプランと記録、人員配置と運営体制、加算の根拠資料
当日の対応 書類提示、ヒアリング、わからないことへの回答方法
結果通知・改善報告 指摘内容、提出期限、改善報告の原因・具体策・再発防止
月次ルーティン ケアプラン・介護記録・勤務表・加算資料・請求内容、研修・委員会、事故・苦情対応

必要書類・勤務表・記録・加算の根拠資料・研修記録などを一覧で確認すれば、不足している項目を早めに把握できます。
また、通知が届いた後だけでなく、月次確認用としても使えるため、日頃から「実地指導で説明できる状態」を作るための管理表として活用できます。

ただし、チェックリストはあくまで現状を確認するための入口です。
実際に必要となる書類や様式、提出方法は、必ず自治体から届く通知書や管轄自治体の案内に従って確認しましょう。

毎回手作業で確認していると、担当者の負担が大きくなり、確認漏れも起こりやすくなります。
紙やExcel管理では、次のような課題が起こりやすくなります。

アナログ管理における課題と潜在的リスク
課題 起こりやすいリスク
記録と請求が別管理 実施記録と請求内容のズレに気づきにくい
勤務表と出勤簿が別管理 人員基準の確認に時間がかかる
加算資料が分散 会議録や研修記録を探すのに時間がかかる
担当者依存 退職や異動で確認方法が分からなくなる
転記が多い 入力ミスや記録漏れが起きやすい

請求・記録・計画書を連動して管理したい場合は、介護ソフトの活用も検討してください。
例えば、弊社の「ファーストケア」は、請求・記録・計画書を管理できる介護保険業務管理ソフトです。
日々の記録や請求内容を確認しやすくすることで、実地指導前の書類整理や自己点検の負担を減らすことにつながります。

実地指導の不安を減らすには、「通知を受けてから集中的に対応する」のではなく、日常業務のなかで説明できる記録を残しておくことが大切です。
まずはチェックリストで現状を確認し、必要に応じて、記録や請求を管理しやすい仕組みづくりを進めましょう。

  • 令和版チェックリストで不足書類や記録漏れを確認する
  • 自己点検シートを使い、指摘されやすい項目を見える化する
  • 紙やExcel管理でズレが起きやすい部分を洗い出す
  • 必要に応じて、請求・記録・計画書を管理できる介護ソフトを活用する
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