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お役立ちコラム

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【そのまま使える】介護施設の目標・具体例集|年間・月間・ユニット別のスローガンとKPI設定

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「来期の事業計画がまだ白紙のまま……」
「明日の会議までにスローガンを決めなければ……」

今まさにプレッシャーを感じている、施設長や現場リーダーへ。

この記事では、経営層が納得し、現場の職員が迷わず動ける「介護施設の目標具体例」を、網羅的にまとめました。
数字と現場のモチベーションを両立させるのは至難の業ですが、本記事の豊富な文例をコピペ・調整するだけで、安全管理から稼働率向上まで説得力のある資料がすぐに完成します。
時間がないなかで、説得力のある目標設定を完了させたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

【時間がない方へ】3ステップで今すぐ埋める「介護施設の目標設定テンプレート」

3ステップで今すぐ埋める介護施設の目標設定テンプレート

毎日の業務に追われ、
「目標をじっくり考える時間がない…」
「よいフレーズが思いつかない……」
このような悩みは、次の3ステップで簡単に作成できます。

  1. テーマを選ぶ
  2. スローガンを選ぶ
  3. 数値目標(KPI)を足す

ゼロから考え直す必要はありません。
各ステップに沿ってパズルのように組み合わせるだけで、経営層が納得する目標設定が完了します。

【ステップ1:テーマを選ぶ】
まず、今年度とくに注力したい分野を、以下の4つのテーマから3つ選びます。あれもこれもと詰め込むと現場が混乱するため、定番テーマに絞り込むのがコツです。

  • 安全管理(事故防止、ヒヤリハット、感染対策)
  • 人材育成(離職防止、資格取得、チームワーク)
  • 稼働率・収益(実利用者増、見学対応、加算取得)
  • 利用者満足度(QOL向上、自立支援、接遇)

【ステップ2:スローガンを選ぶ】
テーマが決まったら、職員の心に残りやすい「スローガン」を選びます。事務的な言葉ではなく、行動のイメージが湧くフレーズを選ぶのがコツです。
(※具体的なフレーズのバリエーションは、次章の「具体例集」から選んでいただけます)

【ステップ3:数値目標(KPI)を足す】
最後に、目標が達成できたかどうかを測るための「KPI(重要業績評価指標)」を1つだけ加えます。スローガンという「想い」に、数字という「根拠」をセットにすることで、誰がみても評価できる目標に変わります。
※KPI(重要業績評価指標)とは、目標達成に向けて「今うまくいっているか」を途中でチェックするための数値のことです。本記事では、以下「数値目標(KPI)」と表記します。

【コピペ用】そのまま使える事業計画書の記入例テンプレート

下記のテンプレートをコピーし、[ ] 内を書き換えるだけで完成します。
記入例は「安全管理」のケースですが、次章のリストを使えば「稼働率向上」や「人材育成」にも応用可能です。
個人目標を作成する際にも、テンプレートとして活用できます。

■重点目標シート記入例

【重点テーマ】
[例:安全管理・事故防止]

【スローガン(目標)】
[例:ヒヤリハットを積極的に報告する安全な文化作り]
※次章の具体例から選んで書き換えてください

【数値目標(KPI)】
・[例:ヒヤリハット報告数:月間20件以上]
・[例:事故発生率:前年比 5%減]

【具体的アクション(Do)】
・[例:毎月のユニット会議で、提出されたヒヤリハットの要因分析をおこなう]
・[例:危険箇所のマップを作成し、3ヵ月に1回更新する]

上記「テンプレート」をコピペして準備してください。
それでは、 [ ] の中身を埋めるための「具体的な文言」を、次の章でテーマ別に紹介します。

 

【年間目標】経営層も納得する介護施設の目標具体例(テーマ別)

経営層も納得する介護施設の目標具体例(テーマ別)

経営層も納得する介護施設の目標具体例を、テーマ別にまとめました。
先ほどのテンプレートを埋める際、特定の課題だけでなく、以下の4つのテーマをバランスよく組み合わせることで、本部への説得力が格段に高まります。

  • 安全管理・事故防止の目標例
  • 稼働率・収益向上の目標例
  • 人材育成・定着の目標例
  • 利用者のQOL・自立支援の目標例

ここでは「介護施設の年間目標の具体例には、どのようなものがある?」という疑問にすぐ答えられるよう、各テーマごとにそのまま使えるスローガン例と数値目標(KPI)を詳しく解説します。

安全管理・事故防止の目標例

介護現場において、利用者と職員双方の安全確保は最優先事項です。
しかし、「事故ゼロ」という目標だけでは、職員は萎縮(いしゅく)し、かえって事故隠しにつながるリスクもあります。
安全管理や感染対策に関する施設目標の具体例としては、職員の「気づき」や「プロセス」を評価する視点を入れることが重要です。

スローガン例(ここから選ぶ)

  • 「気づきを共有する文化作り。ヒヤリハット報告の推進」
  • 「『防げる事故』を確実に防ぐ。予測と共有で作る安全な環境」
  • 「見守りの質を高める連携。声掛け確認で転倒リスクを未然に回避」
  • 「職員の腰痛ゼロへ。ノーリフティングケアの推進と安全な職場作り」

設定すべき数値目標(KPI)の例

  • 事故発生率:前年比 5%減
  • ヒヤリハット報告書の提出枚数:職員1人あたり月1枚以上
  • 安全対策委員会の開催と事例共有:月1回実施
  • 事故対応マニュアルの見直しと周知:年2回実施
  • 職員の労働災害(腰痛など)発生件数:ゼロ

事故の件数という「結果」だけでなく、ヒヤリハット報告の提出や職員同士の話し合いといった「日々の取り組み」も評価することが重要です。

稼働率・収益向上の目標例

施設の存続に関わる重要なテーマです。
現場の職員には敬遠されがちな数字の話ですが、
「地域に選ばれること=自分たちのケアの質が認められること」
という文脈に変換して伝えると、モチベーションにつなげやすくなります。

スローガン例(ここから選ぶ)

  • 「『また来たい』を作る。見学対応の質向上で地域に選ばれる施設作り」
  • 「地域との信頼を築く。顔の見える連携で選ばれ続ける施設へ」
  • 「満床は信頼の証。ケアの質の高さで稼働率の安定を実現する」

設定すべき数値目標(KPI)の例

  • 見学からの成約率:〇%以上
  • 平均稼働率:95%以上維持
  • 地域交流会・イベントの年間開催数:〇回

稼働率を単なる経営上の数字として押し付けるのではなく、「地域からの信頼の証」や「ケアの質への評価」と言い換えることで、現場の職員も自分事として捉えやすくなります。

人材育成・定着の目標例

「人が辞めない職場」を作ることは、採用コストの削減だけでなく、サービスの質向上にも直結します。
職員のスキルアップやキャリアパス支援、働きやすい環境作りを目標に掲げ、具体的な数値で成果を測りましょう。

スローガン例(ここから選ぶ)

  • 「『ありがとう』が飛び交う職場。互いを認め合うチームケアの実践」
  • 「プロとしての成長を支援する。学びと実践でキャリアアップを実現」
  • 「残業ゼロで心に余裕を。業務効率化で利用者と向き合う時間を創出」

設定すべき数値目標(KPI)の例

  • 離職率:〇%以下(または定着率〇%以上)
  • 介護福祉士やケアマネジャーなどの資格取得者数:年間〇名増
  • 年間残業時間:前年比 〇%削減
  • 外部研修・内部研修への参加率:100%

人材育成を精神論だけで終わらせず、資格取得数や残業時間などの客観的な指標で管理しましょう。
職員は自身の成長と働きやすさを実感でき、定着率の向上につながります。

利用者のQOL・自立支援の目標例

「利用者のQOLを向上させる具体的な目標例は?」と悩むケースも多いですが、「ADL(日常生活動作)」の向上や「意欲」に着目すると具体化しやすくなります。
従来のお世話型介護から、自立支援型介護への転換を促す目標は、評価されやすい傾向にあります。

スローガン例(ここから選ぶ)

  • 「『してあげるケア』から『できることを支えるケア』へ転換」
  • 「『その人らしさ』を尊重する。個別ニーズに応えるプランの実践」
  • 「水分・食事・排泄の自立支援で、生活のリズムと活気を取り戻す」

設定すべき数値目標(KPI)の例

  • 利用者の平均水分摂取量:1,500ml/日以上(※心疾患や腎疾患など、医師の指示による制限がある場合を除く)
  • 日中のオムツ外し(トイレでの排泄)達成率:〇%
  • レクリエーション・季節行事への平均参加率:〇%
  • 個別ケアプランのモニタリング実施率:100%

以上の4つのテーマから、自施設の課題に合わせていくつかピックアップし、パズルのように組み合わせることで、バランスの取れた説得力のある年間目標が完成します。
しかし、年間目標という「大きな道筋」だけでは、日々の現場は動きにくいものです。
続いては、この年間目標を達成するために、季節ごとにどのようなテーマで動けばよいのか、「12ヵ月分の月間目標」を具体的に見ていきましょう。

 

【月間目標】ネタ切れ防止!介護施設の12ヵ月分テーマとスローガン具体例

介護施設の12ヵ月分テーマとスローガン具体例

「先月と同じでいいか……」とマンネリ化してしまうと、現場職員の目には止まらなくなり、意識も薄れてしまいます。
季節特有のリスク(感染症や脱水など)や、その時期ならではの行事と連動させることで、現場に「今、何に気をつけるべきか」をタイムリーに伝えることができます。
そのまま掲示板や回覧板に使えるよう、12ヵ月分のテーマと文例を表にまとめました。

【4月~6月(春)新年度・基礎固めの目標】
新年度のスタートは、新人職員への配慮と、基本ルールの再確認が最優先です。
テーマ 目標スローガン文例
4月 新人受け入れ・接遇
  • 挨拶と笑顔で迎える、質問しやすい職場作り
  • 基本ルールの再確認と、丁寧な言葉遣いの実践
5月 感染対策・衛生
  • 持ち込まない・広げない。基本(手洗い・消毒)の再徹底月間
  • 標準予防策(スタンダードプリコーション)の確実な実施
6月 脱水予防・体調管理
  • こまめな水分補給と観察の強化
  • 湿度の高い日における室温管理と不快感の軽減


【7月~9月(夏)リスク管理・防災の目標】
気温上昇にともなう体調不良や食中毒、台風シーズンに向けた備えが必要な時期です。
テーマ 目標スローガン文例
7月 熱中症対策
  • 室温管理と顔色・活気の観察徹底
  • 夜間の気温変化を見逃さない、適切な空調活用
8月 食中毒予防・衛生
  • 手洗いや消毒の徹底と食品管理の再点検
  • 持ち込み食品の管理ルール確認とご家族への周知
9月 防災・BCP(事業継続)
  • もしもに備える。避難経路の確認と備蓄品チェック
  • 緊急時対応シミュレーションと連絡網の確認


【10月~12月(秋)感染対策・接遇の目標】
活動的になる秋の事故防止と、冬に向けた感染対策、年末の家族対応が鍵となります。
テーマ 目標スローガン文例
10月 事故防止・安全
  • 転倒しやすい箇所の環境整備と情報共有
  • ヒヤリハット報告の強化と、危険予測の習慣化
11月 感染予防(冬)
  • インフルエンザ、ノロウイルス対策の本格始動
  • 「うつさない・もらわない」体調管理の徹底
12月 接遇向上・家族対応
  • 「年末年始も丁寧なケア」ご家族への安心感ある対応
  • 1年の感謝を込めた、大掃除と環境美化


【1月~3月(冬)体調管理・次年度準備の目標】
もっとも寒さが厳しくなる時期の体調急変リスクと、年度末の虐待防止・振り返りをおこないます。
テーマ 目標スローガン文例
1月 ヒートショック予防
  • 急な温度変化への対応(ヒートショック予防)
  • 入浴時・排泄時の脱衣所・トイレの温度管理徹底
2月 権利擁護・虐待防止
  • 身体拘束廃止と虐待防止について考える月間
  • 「その言葉、自分だったら?」言葉遣いの見直し
3月 次年度準備・総括
  • 1年の振り返りと、感謝を伝える環境整備
  • 次年度に向けた課題整理と、新たな目標の共有

このように、季節や行事に連動した目標を掲げることで、現場の意識をリフレッシュし、マンネリ化を防ぐ効果が期待できます。
さらに豊富な文例が必要な方、または印刷して手元に置いておきたい方のために、充実した文例集もご用意しました。

介護施設運営にそのまま使える!月間目標テーマ&スローガン全120選.pdf

このテンプレートがあれば、会議直前に「今月の目標どうしよう……」と焦ることはほぼなくなります。
安全管理・接遇・業務改善など、カテゴリ別に整理した保存版です。
ダウンロードして、毎月の会議でご活用ください。

年間、月間の流れが固まったら、次はいよいよ「現場レベル」への落とし込みです。
次章では施設全体の方針を、ユニットやチーム単位でどう実行に移せばよいのか、具体的な「NG例・OK例」を見ながら解説します。

 

【ユニット・チーム目標】現場が動く!介護施設の具体例とNG・OK集

現場が動く!介護施設の具体例とNG・OK集

介護施設の目標を立てる際、最も重要なのは、現場が迷わず動けるよう「具体的な行動指針」まで落とし込むことです。
ユニットやチーム単位で「何をするか」を明確にしましょう。
抽象的な言葉だけでは、実際のケアの質は変わりません。
ここでは、以下の3つの目標例に分けて紹介します。

  • チームワーク・連携をよくする目標例
  • 委員会活動(事故・感染・褥瘡)の目標例
  • ユニットリーダーが掲げるべき運営目標例

どのような目標が効果的なのか、よくある失敗例(NG)と成功例(OK)を比較しながら見ていきましょう。

チームワーク・連携をよくする目標例

「チームワーク」は解釈が人によってバラつきやすいため、最も具体化が必要です。「仲良くする」ではなく、「どのような行動が連携なのか」を定義しましょう。

NG例:「職員間の連携を密にする」
なぜNG?:何をすれば「密」になったのか分からず、振り返りができないため。
OK例:「ナースコールには3コール以内に対応し、対応後は互いに『ありがとう』と声を掛け合う」
ポイント:「3コール以内」という数値と、「声を掛け合う」という具体的なアクションがあるため、できたかどうかが明確です。(※「3コール以内」は厚労省規定ではなく、記事独自の目標例です。施設ごとに設定してください。)
NG例:「情報の共有を徹底する」
なぜNG?:「徹底」の基準が曖昧で、伝達ミスの原因になるため。
OK例:「申し送りノートの未読サインをゼロにし、重要事項は口頭でも復唱確認する」
ポイント:確認作業の手順を目標にすることで、ミスを物理的に防げます。

このように「連携」という言葉を「具体的な行動」に置き換えることで、職員間の認識のズレをなくし、迷いのないチームワークを生み出せるでしょう。

委員会活動(事故・感染・褥瘡)の目標例

委員会活動の目標は、「結果(事故件数など)」だけでなく、そこに至るまでの「プロセス(活動内容)」を目標にすると、形骸化を防げます。

NG例:「転倒事故を減らす」
なぜNG?:「注意する」「徹底する」は個人の意識頼みであり、継続性がありません。
OK例:「危険箇所のヒヤリハットマップを毎月更新し、ユニット会議で危険予測を共有する」
ポイント:「マップ更新」「会議での共有」というタスクを目標にすれば、確実に安全意識が高まります。
NG例:「感染症を出さない」
なぜNG?:外部からの持ち込みは完全には防げないため、発生時の対応力が問われない。
OK例:「手洗いチェッカーによる手技確認を全員が半年に1回実施し、合格率100%を目指す」
ポイント:スキルの標準化を目標にすることで、予防レベルの底上げが図れます。

委員会活動は、結果(数値)だけでなく「プロセス」を評価することで、活動のマンネリ化を防ぎ、実効性のある取り組みへと進化します。

ユニットリーダーが掲げるべき運営目標例

リーダーの役割は、自分が動くことではなく、チームを動かすことです。
介護リーダーの目標例としては、部下育成や環境作りに関する数値目標を意識しましょう。

会議の活性化
具体例:「ユニット会議で全員が最低1回は発言できる雰囲気を作る(司会進行の工夫)」
効果:離職予兆の早期発見や信頼関係の構築につながる
1on1面談の実施率:100%
具体例:「部下との1on1面談を月1回・全員実施し、悩みや希望をヒアリングする」
効果:参加意識が向上し、チームワークの強化につながる
残業時間の削減
具体例:「記録業務の時間配分を見直し、リーダー自身の残業を月10時間以内にする」
効果:リーダーが早く帰る姿勢を見せることで、部下も帰りやすい雰囲気になる

このように、現場レベルの目標は「明日から行動ができるか?」という基準でチェックすると、現場が動きやすくなります。
ここまで「具体的な行動」や「数値」の重要性をお伝えしてきました。
実は、これらを論理的に整理するための有名なフレームワークがあります。
次章では、目標の具体性をさらに高め、誰からも文句を言わせない目標設定の技術「SMARTの法則」について解説します。

 

「具体性がない」と言わせない!評価される介護施設の目標設定と数値目標(KPI)

評価される介護施設の目標設定と数値目標

「頑張ります」「意識します」といった精神論だけの目標は、振り返りができないため、事業計画としては不十分とみなされます。
本部や経営層に「なるほど、これなら評価できる」と言わせるためには、ビジネスの現場で使われるフレームワークを介護現場に当てはめるのが最短ルートです。

魔法のフレームワーク「SMARTの法則」を使おう

「SMARTの法則」とは、目標設定に必要な5つの要素(具体性・測定可能性・達成可能性・関連性・期限)の頭文字をとったフレームワークです。
作成した目標が、次の5つを満たしているかチェックするだけで、具体性が劇的に向上します。

要素 意味 悪い例 よい例 チェックポイント
S(Specific) 具体的に 利用者の満足度を上げる 利用者の『ありがとう』の数を増やす 誰が読んでも認識がズレない言葉になっているか?
M(Measurable) 測定可能な たくさん研修をおこなう 内部研修を『年間12回』実施する 数字で達成できたかどうか判定できるか?
A(Achievable) 達成可能な 明日から事故ゼロにする(現実味がない) 前年比で事故を『10%』削減する 努力すれば届く現実的なラインか?
R(Relevant) 関連性がある (介護施設なのに)毎日英語の勉強をする 認知症ケアの専門資格を取得する 施設の理念や、自分の役割(職務)に関連しているか?
T(Time-bound) 期限がある いつか達成したい 『今年度の3月末』までに達成する いつまでにやるかが明確か?

目標を書いた後に、「これはSMARTになっているか?」と自問自答する癖をつけましょう。
特に「数字(M)」と「期限(T)」が入っていれば、大きく外すことはありません。

スローガンを「数値目標(KPI)」に変換するテクニックを知ろう

介護現場では「笑顔」「安心」「信頼」といった定性的な言葉が好まれますが、これらはそのままでは評価できません。
目標を評価可能にするための具体的な指標化の方法として、これらの言葉を「数値目標(KPI)」に置き換えるテクニックを使いましょう。
以下の変換リストを参考に数値を設定してみてください。

定性的な目標(スローガン) 具体的な数値指標(KPI)の変換例
笑顔あふれる施設
  • ご家族からのクレーム件数:前年比 〇%減
  • サンクスカード(職員間の感謝)のやり取り:月間 〇枚達成
  • レクリエーションへの利用者参加率:〇%以上
働きやすい職場
  • 月間平均残業時間:〇時間以内
  • 有給休暇の取得率:〇%以上
  • 1on1面談の実施回数:職員1人あたり年 〇回
ケアの質の向上
  • 褥瘡(床ずれ)の発生率:〇%以下
  • ヒヤリハット報告書の提出数:月間 〇件(※多いほどリスク感度が高いと評価)
  • 看取りケアの実施件数:年間 〇件

このように目標を数値化すれば、達成状況が一目瞭然になり、人事考課での公平な評価にもつながります。
施設全体の目標が固まり、数値基準も決まりました。
最後は「施設の目標」を、現場で働く「職員一人ひとりの目標」へ落とし込む作業です。
ここがつながっていないと、職員は「やらされ仕事」と感じてしまいます。
次は、施設目標と個人目標を連動させる「カスケードダウン」の手順について解説します。

 

介護施設の目標を職員の「個人目標」へ落とし込む手順

介護施設の目標を個人目標へ落とし込む手順

介護施設の目標を形骸化させず、現場の職員一人ひとりが自分事として捉えられるようにするには、目標の「連動性(カスケードダウン)」を持たせることが重要です。
「施設長が掲げた目標が、現場には響いていない」という温度差を解消するために、次の手順で大きな目標を現場サイズまで分解していきましょう。

  1. ステップ1:施設の「大目標」をユニットごとの「中目標」に分ける
  2. ステップ2:職種・役職(新人・リーダー)に合わせて「小目標」にする

それぞれのステップを、変換例を交えながら解説します。

ステップ1:施設の「大目標」をユニットごとの「中目標」に分ける

まずは、施設全体の目標を、各部署(ユニット・フロア・委員会など)で達成すべき役割に変換します。

施設目標(大目標)
「安全管理の徹底:転倒事故による骨折をゼロにする」

ユニット目標(中目標)への変換例

  • 一般棟(自立度高):「歩行状態の再アセスメントを全員実施し、転倒リスクのある入居者をリスト化する」
  • 認知症棟:「徘徊や立ち上がり時のセンサー感度を見直し、訪室タイミングを最適化する」
  • リハビリ職:「下肢筋力維持のための集団体操への参加率を80%にする」

このように、同じ施設目標でも、ユニットの役割や課題によってアプローチは異なります。

ステップ2:職種・役職(新人・リーダー)に合わせて「小目標」にする

次に、ユニット目標を職員個人のキャリアや立場(等級)に合わせて、具体的な行動目標に落とし込みます。
重要なのは、同じユニット目標であっても、新人・中堅・ベテラン(リーダー)で求められるレベルや役割が異なるという点です。
介護職員の個人目標の具体例を「新人・中堅・ベテラン別で示すと、どのようなものになる?」という疑問への回答として、以下の「連動例」を参考にしてください。

【例:ユニット目標が「環境整備による事故防止」の場合】
職階(キャリア) 役割の視点 個人目標の具体例(小目標)
新人・初任者(1~3年目)の目標例 基本・習得
  • 床の水濡れや物品の放置がないか、居室退室時に必ず確認する
  • 危険箇所をみつけたら、すぐにリーダーへ報告する
中堅職員・現場のリーダー候補(3~5年目)の目標例 実践・効率
  • 担当利用者の居室環境(ベッドの高さ、柵の位置)がアセスメント通りか週1回点検する
  • 新人が気づかない危険箇所を指摘し、その場で修正する
現場のリーダー・ベテラン(5年目~)の目標例 指導・改善
  • ユニット内のヒヤリハット事例を集計し、月1回カンファレンスで対策を共有する
  • 環境整備チェックシートを作成し、職員全員が実施できるよう指導する

全員が「自分の役割で、施設の目標達成にどう貢献するか」を明確にすることで、組織としての一体感が生まれます。
「新人は自分の作業に集中でき、現場のリーダーは組織の改善に取り組める」
結果、施設全体の目標達成に近づくでしょう。

 

介護施設の目標設定でよくある悩み・質問(FAQ)

介護施設の目標設定でよくある悩み・質問

介護施設の目標設定に関して、施設長や現場のリーダーがよくぶつかる次の3つの悩みについて、解決策をまとめました。

  • Q1. どうしてもよい目標が思いつかない時は?
  • Q2. 目標を立てても職員が覚えてくれません
  • Q3. 期の途中で目標を変更してもいいですか?

それぞれ見ていきましょう。

Q1. どうしてもよい目標が思いつかない時は?

A1. 悩んで手を止める時間は惜しいものです。ゼロから生み出そうとせず、以下の3つの方法で「時間をかけずに」作成してください。

TTP(徹底的にパクる):
この記事の文例リストや、Web上で公開されている他法人の事業計画書を参考に、自施設の名称や数値に合わせて微調整して使います。
過去の焼き直し:
去年の目標をベースに、数値目標(KPI)だけ少し高く設定する(例:ヒヤリハット報告10件→15件)のも、継続性という意味で立派な戦略です。
「最悪の事態」から逆算する:
「今、施設で起きたら一番困ること(例:誤薬、離職)」を想像し、防ぐことを目標にします。これが最も現場のニーズに即した目標になります。

個人目標が思いつかない場合の具体的な例やテンプレートについても、ネットの知恵袋などで個別の回答を探すより、前述した「職階別の連動表」を参考に、上司と相談して決めるのが最も近道です。

Q2. 目標を立てても職員が覚えてくれません

A2. 人間は忘れる生き物です。「一度発表したから伝わった」と思わず、「視覚化」と「習慣化」で接触回数を増やしましょう。

視覚化:
綺麗な額縁に入れて玄関に飾るだけでなく、職員トイレのドアの内側・更衣室のロッカー・申し送りノートの表紙・パソコンのデスクトップ背景など、毎日必ず目にする場所に掲示します。
習慣化:
毎日の朝礼やユニット会議の冒頭で、スローガンを全員で唱和するルーティンを作ります。口に出すことで、意識への定着が格段に高まるでしょう。

Q3. 期の途中で目標を変更してもいいですか?

A3. はい、むしろ状況に合わせて柔軟に変更すべきです。
介護現場では、利用者の急な重度化や感染症の流行、職員の突然の退職など、状況が日々変化します。
当初の計画に固執して現場に無理をさせるより、現状に合わせて「達成可能な目標」へ修正する方が賢明です(下方修正も含む)。
突発的な課題(クラスター対策など)を最優先目標に切り替える柔軟性は、リスク管理の観点からも重要です。
ただし、変更する際は「なぜ変更するのか」という理由を職員に説明し、納得感を得られるようにしましょう。

 

【まとめ】よい目標具体例を参考に「施設を守り職員を育てる」

よい目標具体例を参考に施設を守り職員を育てる

介護施設の目標設定において最も重要なのは、「立派な言葉を並べること」ではありません。
「現場の職員が、明日から迷わず動けること」こそが、よい目標の条件です。
経営層(本部)へは「安全性」「収益性」といったテーマごとに、根拠となる数値目標(KPI)を示して納得してもらう。
現場の職員へは「どう行動すればいいか」が直感的に分かる具体的なスローガンを示して動かす。
今回、紹介した「3ステップテンプレート」や「スローガン120選」は、すべて「現場での使いやすさ」を最優先に作成しました。
これらを活用して、来期の事業計画をスムーズに完成させ、自信を持って新年度を迎えてください。

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