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ケアマネジャー更新研修は本当に廃止される?全体像と最新動向をわかりやすく解説

「ケアマネジャーの更新研修が廃止される」という話題が注目を集めていますが、結論からいうと、厚生労働省の審議会において、「更新制の廃止」に向けた方針が大筋で合意されました。
ただし、これは「研修がなくなる」という意味ではありません。
正確には、「資格の有効期間(5年)を撤廃し、一度取得すれば生涯有効になる」という大きな制度転換です。
5年ごとの煩雑な更新手続きは不要になりますが、専門職としての学びは、より負担の少ない柔軟な形へ移行することが検討されています。
この背景には、深刻な人手不足と、重すぎる研修負担が現場の離職を招いているという危機感があります。
今後は、以下のような「働きながら学びやすい環境」の整備が検討されています。
- 資格の生涯有効化(有効期間の撤廃)
- 研修時間の縮減
- オンライン・オンデマンドによる分割受講の導入
- 受験に必要な実務経験の短縮(5年→3年への緩和案)
この記事では、制度変更のポイントと今後の動向をわかりやすく解説します。
更新時期が迫り不安を感じている方や、今後のキャリアプランを考えたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
ケアマネジャー更新研修の廃止は本当に決まったのか【現状整理】

SNSやニュースで話題となっている「ケアマネジャー更新制の廃止」は、単なる噂ではなく、厚生労働省の審議会で大筋合意された事実です。
2025年10月27日に開催された社会保障審議会・介護保険部会において、更新制の廃止と、それに代わる新たな研修体系の方向性が示されました。
現時点での正確な到達点について、「確定している事実」と「検討段階にある事項」を切り分けて整理します。
1. 確定している事実(大筋合意された方針)
- 「更新制」自体の廃止:5年ごとに研修を受けなければ資格を失うという現行の仕組みは撤廃されます。 これにより、ケアマネジャー資格は一度取得すれば生涯有効な資格となります。
- 資格維持と研修受講の分離:資格を失う不安(外発的動機)による受講ではなく、専門職としての資質向上(自律的な学び)を目指し、資格の更新と研修受講を切り離します。
- 定期的な研修受講の義務化:更新制はなくなりますが、専門職としての知識・技能を維持するため、「定期的な研修の受講」自体は引き続き法令上の義務として残る方向です。
- 受験資格の緩和:人材確保のため、受験資格に必要な実務経験を現行の「5年」から「3年」に短縮し、対象となる国家資格の範囲も拡大する方針です。
参考:厚生労働省「2025年10月27日 第127回社会保障審議会介護保険部会 議事録」
2. 検討段階にある事項(詳細が未定の部分)
- 具体的な施行時期:政府は2026年の通常国会に法案を提出し、2027年度(令和9年度)の制度改正での実施を目指していますが、正確な施行日はまだ確定していません。
- 研修時間と内容の細部:現在88時間(初回更新)などとなっている研修時間を「可能な限り縮減」する方針ですが、具体的なカリキュラム案は来年度以降の調査研究事業で詰められます。
- 未受講者への対応:研修を受けなくても直ちに資格を失うわけではありませんが、受講の実効性を確保するために「都道府県による勧告」や「事業所への指導」をどう組み込むかが、今後の議論の焦点となります。
参考:厚生労働省「2025年10月27日 第127回社会保障審議会介護保険部会 議事録」
3. 「いつから廃止?」スケジュール予測
現時点でのタイムラインは以下のとおりです。
- 2025年12月:社会保障審議会による議論の取りまとめ。
- 2026年(通常国会):介護保険法などの改正案を提出・成立。
- 2027年4月~:第10期介護保険事業計画の開始に合わせた新制度施行(有力な見込み)。
日本介護支援専門員協会や、国民民主党などを含む政党、およびUAゼンセン(日本介護クラフトユニオン)といった関係団体が、現場の悲鳴を代弁して「更新制廃止と負担軽減」を強く求めてきました。
厚生労働省が示した方針は、これらの政治的・現場的な要請に回答した形となります。
今回の制度改正を例えるなら、「5年ごとの免許更新(受けなければ失効)」から、医師や看護師のような「生涯免許(ただし継続的な自己研鑽が必要)」への転換といえます。
資格失効の不安を抱えながら働く状態から解放される一方で、専門職として自発的に学び続ける姿勢が、これまで以上に求められるでしょう。
参考:厚生労働省「介護支援専門員の更新制・研修制度の見直しに関する意見」「介護保険制度の見直しに関する意見(案)」
ケアマネジャー更新研修はなぜ廃止・見直しへ?現場で「しんどい」といわれる4つの背景

ケアマネジャー更新研修の廃止・見直しが進んでいる背景には、単なる制度変更ではなく、現場が長年抱えてきた「限界」があります。
ここでは、更新研修が「しんどい」と言われる理由を、現場視点で4つに整理します。
- 時間的負担が大きすぎる
- 生活や家族への影響が深刻
- 職場全体にしわ寄せが生じる
- 経済的な自己負担が重い
それぞれの背景について、現場の実態を交えながら解説していきます。
1. 時間的負担が大きすぎる
更新研修の最大の課題として多く挙げられるのが、拘束時間の長さです。
研修の種類や自治体によって差はありますが、32時間から長い場合は80時間超に及ぶケースもあり、通常業務と並行して受講するのは容易ではありません。
例えば、居宅介護支援事業所のケアマネジャーは、日中は訪問・モニタリング・電話対応・給付管理に追われています。
さらに数日単位で研修時間を確保するとなると、残業や休日対応で帳尻を合わせるしかなく、結果として心身の負担が増していきます。
2. 生活や家族への影響が深刻
更新研修は平日だけでなく、土日や連続日程で実施されることもあります。
そのため、有給休暇や休日を研修に充てざるを得ず、家族との時間が削られます。
特に子育て世代や介護を担うケアマネジャーにとって、研修日程の調整自体が大きなストレスです。
仕事と家庭の両立が難しくなり、「更新のたびに生活が乱れる」と感じる人も少なくありません。
3. 職場全体にしわ寄せが生じる
ケアマネジャー業務の負担は、自分一人だけの問題では済みません。
小規模な事業所では、ケアマネジャーが数日間不在になる際の代替要員を確保するのが困難です。
研修期間中、利用者対応に支障が出る可能性があり、残された同僚への負担増に対する「申し訳なさ」が、受講者本人にとって強い心理的負担となっています。
研修から戻ってくると、机の上(またはパソコンのなか)には、処理しきれなかった書類や着信履歴が山積みになっています。
「研修に行けば行くほど、自分の仕事が溜まっていく」
この現実が、「行ってもストレス、行かなくても(資格失効の)ストレス」という悪循環を生み出し、ケアマネジャーの疲弊感を高めていました。
4. 経済的な自己負担が重い
受講料は自治体により異なりますが、多くは2万円から6万円程度、地域によっては8万円を超えることもあります。
さらに、これら費用の全額を自己負担している人が約34%に上り、交通費や宿泊費を含めると家庭経済への圧迫は無視できないレベルです。

出典:日本総研「介護支援専門員の資質向上に資する研修等のあり方に関する調査研究事業」
そして今、「廃止されるかもしれない」という情報が、この経済的負担感をより一層強めています。
「あと数年待てば無料(廃止)になるかもしれないのに、なぜ今、高いお金を払って更新しなければならないのか?」という損得勘定が働くのは自然な心理です。
この迷いが、更新手続きへのモチベーションをさらに下げています。
参考:日本総研「介護支援専門員の資質向上に資する研修等のあり方に関する調査研究事業」
ケアマネジャーの更新研修を受けないとどうなる?廃止議論に惑わされず知っておくべき「再研修」の重い代償

現在、ケアマネジャーの更新制廃止に向けた議論が加速していますが、現時点ではまだ現行の制度が適用されています。
そのため、更新時期を迎えている方が「どうせ廃止されるから」と受講を見送ると、重い法的・経済的リスクを負うことになります。
現行法では、更新研修を受けずに有効期間が切れると、どのような事態が起こるのでしょうか。
具体的にみていきましょう。
資格は即時失効する
現行制度では、有効期間内に更新手続きをおこなわなかった場合、資格は即時に効力を失います。
- 業務停止: 資格失効後は、ケアマネジャーとしての業務は一切できません。
- 事業所への影響: 資格がないまま業務を続ければ、本人だけでなく、雇用主である事業所も行政処分などのペナルティを受けることになります。
参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「介護支援専門員」
参考:京都府ホームページ「介護支援専門員証の有効期間更新手続きを忘れずに行ってください」
将来の復帰には「再研修」が課される
一度資格を失効してしまうと、将来ケアマネジャーとして復帰する際に、通常の「更新研修」ではなく、より負担の重い「再研修」の受講が義務付けられます。
| 項目 | 通常の更新研修(実務経験者、2回目以降) | 再研修(資格失効後の復帰) |
|---|---|---|
| 受講時間 | 32時間以上 | 54時間以上 |
| 費用の目安 | 約2.5万円 | 約4万円〜5万円 |
※上記の金額は目安です。詳細は介護支援専門員証を交付した都道府県にご確認ください。
このように、「廃止待ち」をして資格を手放すと、将来「やはり資格が必要だ」となった際に、より多くの時間と費用がかかる「重い代償」を払うことになります。
更新制の廃止が実現するのは、早くても2027年度の法改正以降になると見込まれており、明日すぐに変わるものではありません。
法律が変わるその日までは「今のルール」が絶対であり、期待だけで更新手続きを止めてしまうのは、あまりに大きなリスクです。
一時の負担を避けようとした結果、大切な「資格」そのものを失ってしまっては、元も子もありません。
自分のキャリアと生活を守るためにも、今は現行のルールに従うのが最も確実な選択です。
不透明な情報に惑わされず、まずは目の前の更新手続きを計画的に進めていきましょう。
主任ケアマネジャーの更新研修はどうなる?廃止議論と管理者要件への影響

これまで一般のケアマネジャーについて解説してきましたが、現場のリーダーである「主任ケアマネジャー」にも大きな改革の波が来ています。
2025年末の審議会で固まった「更新制撤廃」の方針と、それにともなう「管理者要件」の行方について、現時点での決定事項をわかりやすく整理します。
1. 主任ケアマネジャーも「更新制」は撤廃へ
これまで5年ごとに訪れていた「更新しないと資格を失う」というプレッシャーから解放される方針が、大枠で固まりました。ただし、何もしなくてよくなるわけではありません。
| 項目 | これまでの仕組み | これからの仕組み(案) |
|---|---|---|
| 資格の有効期間 | 5年(更新制) | 無期限(生涯有効) |
| 研修の受講 | 更新のために必須 | 法令上の義務として継続 |
| 受講スタイル | 長時間の集合研修が主 | 分割・オンラインで柔軟に |
「更新手続き」という事務的な縛りをなくしつつ、専門職としての質を保つために「研修受講」そのものは義務化される見通しです。
2. なぜ今、主任ケアマネジャーの更新制まで廃止されるのか?
主任ケアマネジャーの更新制が見直される背景には、大きく分けて「リーダー層の離職防止」と「本来業務への集中」という2つの課題があります。
これまで主任ケアマネジャーは、5年ごとの更新時期が近づくたびに、長時間かつ負担の大きい研修を受けなければならず、「そこまでして資格を維持するなら、主任を降りた方がいい」と感じる人も少なくありませんでした。
この更新プレッシャーが、現場の中核を担う人材の離職につながっていたのです。
また、主任ケアマネジャーは本来、新人ケアマネジャーの指導や支援、地域全体のケアマネジメントの質向上といった役割が期待されています。
しかし現実には、研修対応や事務的な業務に追われ、そうした役割に十分な時間を割けない状況が続いていました。
更新制を見直すことで、資格維持のための負担を軽減し、主任ケアマネジャーが現場のリーダーとして本来の力を発揮できる環境を整えること、そして将来の管理者候補となる人材を育てやすくすることが、今回の制度変更の大きな狙いといえます。
参考:厚生労働省「地域包括ケアシステムの深化(相談支援の在り方)」「2025年10月27日 第127回社会保障審議会介護保険部会 議事録」
3. 最も気になる「管理者要件」はどうなる?
現在、居宅介護支援事業所の管理者は「主任ケアマネジャーであること」が原則とされていますが、この要件も今回の制度見直しと無関係ではありません。
まず押さえておきたいのは、主任資格がなくても管理者を続けられる経過措置が2027年3月末で終了予定とされていることです。
この期限が迫っていること自体が、今回の更新制見直し議論を加速させる大きな要因となっています。
ただし、現時点では「主任ケアマネジャーでなくても管理者になれる」と直ちに要件が緩和されるわけではありません。
地域差や事業所規模、人材確保の実情を踏まえたより現実的な運用のあり方を検討することが、正式な議論テーマとして位置づけられています。
さらに重要なのは、更新制が廃止された場合でも、管理者が専門性を維持しているかどうかを研修受講の実態でどう評価するかという点です。
今後は、定期的な研修受講の状況が、特定事業所加算などの介護報酬上の評価や、運営基準の確認と結びついていく可能性が高く、この仕組みが管理者要件の実効性を支える役割を担っていくと考えられます。
4. 主任ケアマネの地位は「法令」で守られる方向に
今回の改革のもう1つの目玉は、主任ケアマネジャーの役割が法令上に明記されることです。
これまでは「通知レベル」の規定でしたが、法律にはっきりと位置づけられることで、単なる「管理者のための資格」から、地域介護の中核を担う専門職としての地位がより強固になります。
管理者要件の詳細は今後の報酬改定議論を待つ必要がありますが、「資格失効の恐怖におびえることなく、キャリアを積める環境」へと、制度は確実に前進しています。
ケアマネジャー更新研修廃止に関するよくある疑問(Q&A)

ここまで、ケアマネジャー更新研修の廃止をめぐる背景や制度の方向性、現場への影響について整理してきました。
一方で、「自分の資格はどうなるのか」「更新時期が重なったらどう判断すべきか」といった、より具体的な疑問を感じている方も多いはずです。
ここでは、特に検索が多い次の3つの疑問について、Q&A形式で順番に解説します。
- ケアマネジャーの資格は廃止されますか?
- 制度が変わる途中で更新時期が来たらどうなりますか?
- 研修の負担が減ることで、どのような問題が起こる可能性がありますか?
それぞれ、現場目線で整理していきます。
Q1. ケアマネジャーの資格は廃止されますか?
A1. いいえ、資格そのものが廃止されるわけではありません。
現在議論されているのは、あくまで資格を維持するための「更新制」や「研修」のあり方についてです。
高齢化が進む日本において、ケアプランを作成し、医療・介護・家族をつなぐ「介護支援専門員」の役割はますます重要になっており、資格自体をなくすという議論はおこなわれていません。
むしろ、更新の負担を減らすことで、より長く働き続けてほしいというのが国の意図です。
Q2. 制度が変わる途中で更新時期が来たらどうなりますか?
A2. これは非常に多くの人が心配している点ですが、もし制度が廃止・変更される場合でも、通常は「経過措置(けいかそち)」が設けられます。
過去の法改正の例を見ても、ある日突然ルールが変わって「昨日更新した人は損、明日更新する人は得」といった極端な不公平が起きないよう、以下のような配慮がなされることが一般的です。
- 猶予期間の設定:新制度の開始から一定期間は、旧制度での更新も有効とする。
- みなし措置:すでに研修の申し込みを済ませている場合は、新制度の要件を満たしたものとみなす。
「制度の変わり目」に当たってしまった人が不利益を被らないよう、必ず移行期間中の特例ルールが発表されます。
噂に惑わされず、都道府県や職能団体からの公式通知をチェックすることが大切です。
Q3. 研修の負担が減ることで、どのような問題が起こる可能性がありますか?
A3. 負担軽減は現場にとって歓迎すべきことですが、一方で以下のような「質の低下」につながるリスクも懸念されています。
- 学ぶ機会の喪失:研修が強制でなくなると、法改正や新しい制度(加算など)について自発的に学ばない人が増える。
- スキルのばらつき:義務が外れると、学び続けるケアマネジャーとそうではないケアマネジャーに分かれ、ケアプランの質に差が生まれる。
更新制がなくなったあとは、「研修があるから学ぶ」のではなく、「プロとして自ら学び続ける」という個人の意識や、事業所単位での教育体制がより一層問われることになるでしょう。
【まとめ】ケアマネジャー更新研修の廃止議論は加速中!決定情報を注視し資格と時間を守る選択を

この記事では、ケアマネジャー更新研修の廃止議論に関する最新動向と、現場への影響について解説してきました。
情報が錯綜している今だからこそ、噂に流されて後悔しないよう、最後に「今、把握しておくべき重要ポイント」をもう一度おさらいしましょう。
【廃止は「検討中」であり「決定」ではない】
議論は確実に「負担軽減」へ向かっていますが、完全廃止や制度変更の有力なタイミングは2027年度改正以降です。
【廃止待ちの更新見送りはハイリスク】
現行ルールでは、更新しないと資格は即失効します。将来復帰する際には、より負担の重い「再研修」が必要となり、時間も費用も損をします。
制度の過渡期である今は、現行制度で確実に資格を守り、キャリアを継続することが最善の選択です。
制度改正のニュースは日々更新されます。
厚生労働省の発表などの情報をこまめにチェックしつつ、目の前の更新手続きを計画的に進めてください。
制度が変わるたびに悩まない法改正対応と時短を実現する「ファーストケア」

介護業界では、更新制度に限らず、法改正や報酬改定が繰り返されるなかで、常に最新のルールへの対応が求められています。
制度が変わるたびに情報を追いかけ、業務フローを見直すことに、負担を感じている方も多いのではないでしょうか。
「ファーストケア」は、こうした度重なる法改正や報酬改定にも、バージョンアップで迅速に対応し、ケアマネジャーの皆さまが制度変更に振り回されない環境づくりを支えてきました。
さらに、見やすく直感的な操作画面と、重複入力をなくすデータ連携機能により、日々のパソコン業務を大幅に効率化。
事務作業の時間を短縮し、限られた時間を本来向き合うべき業務へ振り向けることができます。
空いた時間を、研修への備えや利用者への丁寧な支援、そしてご自身の休息にあてる。
変化の激しい時代だからこそ、そうした「余裕」を生み出す仕組みが重要です。
まずは、資料請求やご相談を通じて、ファーストケアでどこまで業務を効率化できるか、具体的にご確認ください。

